事業や組織を立ち上げた「ファウンダー(Founder、創設者)」に、自身の経験を通して得た「ファウンダー観」について語ってもらう本特集。

前回に引き続き一般社団法人at Will Work代表理事で、スタートアップをサポートするPlug and Play Japanでマーケティング・コミュニケーション担当として働く藤本あゆみさんへのインタビューを通して、ファウンダーに求められる資質やスキル、さらに成功する起業の共通点について掘り下げてみたい。(取材・藤堂真衣/写真・森口新太郎)

藤本あゆみさん
一般社団法人at Will Work代表理事、Plug and play Japan VP・マーケティング・コミュニケーションディレクター、一般社団法人日本マーケターキャリア協会理事。1979年生まれ。大学卒業後、2002年キャリアデザインセンターに入社。求人広告媒体の営業職を経験。07年4月Googleに転職。代理店渉外職を経て、人材業界担当の営業マネージャーに就任。女性活躍プロジェクト「Women Will Project」の担当を経て、16年に一般社団法人at Will Workを設立。株式会社お金のデザインにてPRマネージャーを担当、18年よりPlug and Play Japan にてマーケティング、コミュニケーションディレクターとして新たなキャリアをスタートした。

ファウンダーの素質は「ゼロからの仕事を楽しめるか」

女性創業者#6
(写真=森口新太郎、ZUU online編集部)

──at Will Work立ち上げ時のお話やPlug and Playでのお仕事から、藤本さんは現場でコミュニケーションを取り合うのが好きな現場主義の人なのかなと感じました。ファウンダーにはそういう人も多いのでしょうか?

部分的にはそうかもしれません。例えば組織の成長フェーズが0から10まであるとすると、ファウンダーは0から0.1あたりが好きな人だと思います。さらに0.1から1、1から10というように分かれていると思っていて。

私がGoogleに入社したのは2007年で、入れ替わるようにして辞めていった女性がいるんです。07年のGoogleといえばこれからどんどん成長していく、面白くなるぞ!という時期で、「なぜこんな時に辞めるのですか?」と聞いたところ、企業の成長フェーズの話をされて、「企業には必要なフェーズに必要な人が行くものだ」と言われました。つまり彼女は1までが好きだったのだろうなと思います。

0から0.1の間って本当に人もモノもお金も足りないから、自分で動く必要があるんですよね。仮説を立てて検証して、実行して、イケるなとか、ダメだなとか判断したり、自分でできないから誰かを雇おうか考えたり、そういうことをやるフェーズが0~0.1で、ここを楽しんでしまうタイプの人はファウンダーの素質があるのかもしれません。

──なるほど、「素質」なんですね。