「一億総活躍社会」が声高に叫ばれる昨今、人の稼ぎ方は多様化し、必ずしも給与所得だけが個人のインカムではなくなってきた。背景にはインターネットの普及によりネットビジネスを筆頭に、個人でもビジネスを立ち上げやすい環境が整ってきたことがある。
だが事業を立ち上げ、継続させるためにはさまざまな困難が伴う。事業を立ち上げる人、すなわち「ファウンダー(Founder、創設者)」がビジネスを成功させるために大切なこととは何だろうか。そのヒントを得るために、Peatix.comの共同創業者として知られる竹村詠美さんにお話を伺った。(取材、構成・くすいともこ ZUU online編集部、DAILY ANDS編集長/写真・森口新太郎)
竹村詠美さん
一般社団法人FutureEdu代表理事、Peatix.com共同創設者。McKinseyを卒業後、Amazon、Disneyなどの日本経営メンバーとして、サービスの事業企画や立ち上げ、マーケティングなど幅広い業務に携わる。2011年に立ち上げた「Peatix.com」は現在27カ国、400万人以上のユーザーをもつ。現在はSTEAMや21世紀教育をテーマに執筆、講演、研修など幅広く活動中。MostLikelytoSucceed日本アンバサダー、総務省情報通信審議会委員なども務める。
ファウンダーの軸は2つ
――「事業を立ち上げる人」にはさまざまな事例があると思いますが、その中でもどのような人をファウンダーと呼ぶと思いますか。
きっちりと分けるのは難しいですよね。起業しているすべての人がファウンダーなのか、と問われれば、それはちょっと違う気がします。
個人的には、ファウンダーには2つの軸があると考えています。1つ目は金融リスク。事業をやるには必ず「コスト=お金」がかかりますので、そのリスクをどこまでとれるかで立場が変わってきます。2つ目にプロダクト。今までにない「プロダクト=サービス」を提供できるかどうかですね。
――金融リスクを負いながら、今までにないプロダクトを作り出す。それがファウンダーということでしょうか。