従前の日本はみんなが一緒であることが求められましたが、現在の日本は自分の考えをより鋭敏に思考する力が求められるようになりました。しかも、その考え方は、ある一定の枠の中で考えるというものではなく、分野を超えて俯瞰的に物事を見ることが大切だとも言われます。このように物事を見れる人は『はみ出す』のもいとわない人たちばかりです。

日本人はもともと『はみだせない』

イノベーション時代,はみだす力
(写真=J.Score Style編集部)

日本は良くも悪くも調和を大切にします。それは、制服やランドセルにも表れますし、出身地や出身学校など、さまざまな特徴で表されます。

思春期になれば「みんなが持っているから」「みんながやっているから」という理由でゲーム機を持ち、スマホを巧みに活用してSNSで周囲とコミュニケーションを取る人も多く、その波に乗れなければ仲間はずれにされるのではないかとおそれる人もいるようです。

また、中高生にしろ、大学生にしろ、芸能人やモデル、さらには自分たちに身近な存在である読者モデルが身につけるトレンドのものを身に着けますし、同じような格好をしていれば、「同じような趣向だ」と仲間意識を持つようになります。裏を返せば、何かしら「同じ」だと思われなければ「異質な存在」「自分とは違う」と考え、仲間ではないと感じるようになるのです。

自分はそこまで好きではないのに友人たちが好きだと思う持ち物を持つなどの趣向も同様です。仲間外れだと思われたくないという気持ちが知らないうちにはみだせないという気持ちに変わるのです。

なぜ『はみだせる』人ははみだすことができるのか

一方で、みんながAだと言う中でBのほうが良いと思うと周囲に惑わされず自分の意見を言い、行動できる人もいます。そういった人は一見ユニークな人だとか、自分とは違うと思われがちになりますが、一目置かれる存在になります。

彼らの行動をみていると、ただ人と違う発言をしているのではなく、なぜそう思うのか理路整然と伝えています。コミュニティ内のルールでも、それはおかしいと思ったらなぜおかしいかと説明し、周囲の納得を得たうえであえてルールとは異なる方法を取ることもあります。ルールとは異なる方法を取る以上、その分期待以上の成果が出せるように行動します。

そういった言動の背後には強い信念があるのです。人とは違った目線から物事をみて推敲したり、新しいモノ・サービスを思いつくこともできるのです。

『はみだす』力は世の中を動かすはず

こういった発想力・考え方のある人たちが信念を持ち、価値を提供したものが今私達の生活に大きく浸透しています。たとえば、AppleのiPhoneは私達の生活に大きなイノベーションを巻き起こしました。スマートフォンで出来ることがふえ、大企業だけではなくスモールサイズの企業であってもインターネットを活用して大きく飛躍し、名だたる企業の仲間入りを果たす場面も生まれています。

今、世界中で開発が進められてる空飛ぶ自動車やこれまでタブーだとされていた不老不死の研究など、これまでとは違う何かに対して本気で取り組む人たちは大勢います。最初はそういったことに対して予算が付きづらくても、相手を納得させるプレゼンテーションや日頃の仕事や物事に対する向き合い方が周囲の人からの信頼となり、大きなプロジェクトとなることも十分にあるのです。

ただし、気をつけてほしいのははみ出す力はルールを守らない、自分勝手な行動をするということではありません。全員が全員ルールを破って好き勝手な行動をすれば、世の中はプラスになるどころか大きなマイナスになります。はみだす力は考え方を少し変えるという方向性の転換だと思えば、私たちの日頃のビジネスにも取り入れることができるのではないでしょうか。(提供:J.Score Style

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