企業の経営状況の共通点

役員報酬が1億円を超える企業の共通点は、時価総額が大きい値がさ株とよばれている企業がほとんどです。また、キャッシュリッチ企業が多い事が特徴です。キャッシュリッチとは、現金や預金に近い資金を豊富にもつ企業の事をいいます。また、役員に外国人が多いことも特徴です。

市場別でみると、東証1部の企業が全体の8割を占めています。やはり、東証1部は、グローバルな展開を行っている企業が多く、国内だけでなく、海外事業も基盤としているケースが多く大勢の外国人従業員を雇用している企業も多いです。マザーズなどでは、1億円以上を支払っている役員がいませんでした。新興市場では、事業基盤を安定させるため内部留保や設備投資にお金をかけるため、報酬が出せないという見方があります。

その一方で、赤字企業や無配当の企業であっても役員に1億円以上の報酬を支払っている企業もあります。単体の決算でみた場合赤字だった、日本板硝子、ソニー、東京エレクトロンなど10社ほどが、役員報酬1億円を支払っていました。役員報酬の開示情報を、業種別でみてみると製造業が最多で全体の58%ほどを占めています。その次に多いのが卸売業で11.5%、次いで金融業になります。

また会社の業績の歴史が50年以上続いている所が7割ほどでした。このことから役員報酬1億円を支払える所は、それだけ経営基盤がしっかりとして、長く続いている安定的な企業でないと、売上を伸ばしていてもなかなか高額報酬には結びつかないという事が考えられます。


世界の役員報酬の平均は?

世界の役員報酬は、一般的に日本の役員報酬よりはるかに多いといわれています。しかし、世界の役員報酬の基準と日本の基準が違う為、報酬の金額も違うという意見もあります。

アメリカ、イギリスともに短期・長期インセンティブが基準になって支払われています。内訳としては、1.年度業績に連動するインセンティブ、2.複数年かけて達成するインセンティブとに分かれており、総報酬の4分の3は業績に応じて増減するようになっています。


今後も役員報酬はふえてくるのか?

役員報酬は、税制面に影響してきます。今会計基準を国際会計基準(IFRS)に統一しようという動きが上場企業のなかであり、会計基準をかける企業は増えてきています。会計基準を変えたりする事で、役員報酬もよりグローバル基準になってくる可能性が考えられます。企業の業績次第では、今後世界にならぶような高額報酬者もでてくるかもしれません。

【関連記事】
富裕層向けクレジットカード特集 最強のブラックカードはここがすごい!!