★想定通り、米長期金利底入れになるか? 急転直下、9月1日に予定されていたアメリカによる対中関税引き上げ第4弾が一部12月15日まで延期と発表。 ラップトップなどのPC、携帯電話、ビデオゲーム端末、一部の玩具、一部の履物・衣料品などです。 これによって、ダウ工業株は一時500ドル以上の急騰となりました。為替市場ではドルが対円で1円近く上昇して、106円台前半で推移。 トランプ大統領が記者団に述べたところによると、「アメリカ消費者に関税引き上げの影響が及ばないように、クリスマス・年末商戦に配慮した。」ということになっています。 米中閣僚級が電話会談を行った(13日夕)結果だそうで、2週間以内に再び電話協議をするようです。トランプ大統領のツイッターによると、「アメリカの農産品を買うといって買わなかった中国だが、今回は買うかもしれない。」としています。
★関税先送りの背景。 文字通り、年末・クリスマス商戦への影響を軽減したという理由は、確かにアメリカにあるのでしょうが、それだけではないでしょう。 基本的に来年の大統領選に向けてすべてが計画され、発動されているわけです。対中国という、相手のある世界ですから、手持ちのカードをそう矢継ぎ早に使い切ってしまうのも得策ではありません。延期によって、カードを残したということでしょう。 そのほか、考えられることがあります。
1 中国はおよそ交渉のテーブルにつける余裕がない:(詳細略)
2 一方では、香港騒乱を火種に、中国内での社会不安を煽る:(詳細略)
★香港騒乱の現状(省略)。
★ロシアも反政府運動(省略)。 海外では、香港だけではなく、ロシアでも大規模デモが行われています。9月に寄手8位されているモスクワ市議会選挙を巡り、反体制派候補の多くが参加を認められなかったことに抗議する大規模抗議集会が連発しています。 やはりここでも当局が、デモ参加者の連行・拘束などを強行しており、批判が始まっています。
★定点観測。 昨晩の米国株市場はこうした海外での地政学リスクの増大にもかかわらず、一点して大幅反発で終わりました。 最終的にはダウ工業株は372ドル高の1.44%でした。ナスダックは1.95%上昇ですから、ほぼほぼ2%級の上昇です。 おおむね50日線までの反発にはなってきていますが、決定的に移動平均線との位置関係が大きく変わったわけではありません。 この50日線を完全奪回したように見えるのは、半導体SOX指数だけです。 リスク指標でも、ジャンクボンドが大きく反発したものの、やはり50日線突破には至っていません。 また、利払い目前となった米国10年国債ですが、昨晩はさすがに売られ、利回りも上昇して1.68%となっていますが、8月7日以来の底辺での底這い状態から脱しているわけではありません。
★米長短金利差~逆転によるバブル化目前(省略)。 この一週間、米10年国債利回りと2年国債利回りの差がどんどん縮小しているのはご存知の通り。(10年利回りから、2年利回りを引き算する) 7月末の時点で、0.1517%の差。 それが、先週末の段階では0.1099%の差。 週明け月曜日の米国では、0.0673%差。 昨晩は0.02%に縮小しています。ほとんど変わりがありません。 これが逆転(つまり、引き算の解がマイナスになる)すると、バブル発生だと「一粒萬倍の株式投資宝典」でも解説している通りです。 (以下省略)
★戦略方針: (省略) 以上
詳細は「一粒萬倍勉強会」サイト https://www.ichiryu-manbai.com/ へ。(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄