米国株式市場は米中貿易戦争によってボラティリティーが高まっている一方で、多くの米国企業は堅調な決算を発表している。
株式市場における高いボラティリティは今後数週間続くと見られているが、今週は一部の大企業の決算報告が控えている。以下の3銘柄は、決算後大きく値動きする可能性の高い銘柄である。
1.ウォルマート
米消費者信頼感は依然として堅調であり、米小売最大手のウォルマート・ストアーズ (NYSE:WMT)は好調な5-7月期(第2四半期)決算を15日の寄付き前に発表する予定である。予想売上高は1300億ドル、予想EPSは1.22ドルとなっている。
同株は年初来で約16%高となっている。しかし、米中貿易戦争が早期的に解決する可能性は薄れ、株価は下落に転じている。
2-4月期(第1四半期)決算では、低い失業率などのマクロ的環境の恩恵を受けていることを示した。
同四半期決算では、米国における既存店売上高は前年同期比3.4%増となり、過去9年間で最も高い伸び率を示した。このことは、来店者数と消費額の両方の増加を意味する。さらに、オンライン売上高は前年比37%増となっていた。
2.エヌビディア
エヌビディア (NASDAQ:NVDA)は、5-7月期(第2四半期)決算を15日の大引け後に発表する予定である。予想売上高は25.5億ドル、予想EPSは1.14ドルとなっている。
現在、半導体セクターは周期的な不況に陥っている。また、半導体需要は弱まっており、米中貿易戦争が脅威となっている。同社の売上高やゲーム部門、データセンター部門の売上高に注目が集まっている。
2-4月期(第1四半期)決算の記者会見でコレット・クレスCFOは、サーバー市場の見通しは2月以降で悪化してると述べた。また、同社の年間見通しに変更はないと発言した。
半導体不況のあおりを受け、同株は史上最高値である293ドルから47%下落している。
3.キャノピー・グロース
同社の9日の株価は32.9ドルとなっており、4月末から30%以上下落している。
同社CEOのBruce Linton氏は、7月に解雇された。昨年同社に40億ドルを出資して最大株主となったコンステレーション・ブランズ (NYSE:STZ)による圧力が背景にあると考えられている。
同社の第4四半期(1-3月期)決算における、利払い前・税引き前・減価償却前・その他償却前損失は9800万カナダドルとなっていた。また、修正済み売上総利益率は16%となり、前四半期比43%減となった。
大麻企業大手のキャノピー・グロース (NYSE:CGC)は、14日の大引け後に2019年4-6月期(第1四半期)決算を発表する予定である。予想売上高は8600万ドル、予想1株あたり純損失は0.22ドルとなっている。(提供:Investing.comより)
著者: ハリス アンワル