誰もが転職で失敗したくないものだ。あらかじめ失敗の傾向を理解していれば、その対策を講じることで失敗を回避することも可能だ。ここでは40代の転職活動の参考として、転職に失敗する人の特徴を5つ紹介する。

40代で転職に失敗する人の特徴1……転職理由が後ろ向き

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(画像=Ollyy/Shutterstock.com)

40代というと経験から視野が広くなり、現場のことも組織全体のことも見えてきている頃だ。役職に就くことも多く、求められることやしがらみも増えるうえ、競争も厳しくなる。

心身の負担からうつ病になる人も少なくない。うつ病とまではいかなくとも、強いストレス状態にさらされることで体調にまで影響が出ることもある。重責から逃れたい、もっと楽になりたいと、現状に疲れてしまった結果、転職を選択する人もいるだろう。

しかし、辛い気持ちでいっぱいになり、後ろ向きな感情に支配されている状態では相手企業にも逃避が理由であることが透けて見えてしまう。企業としては今後の活躍に不安が生じてしまい、採用には至る確率が低くなる可能性がある。

病気であれば治療が第一優先だが、そうでなければ感情に振り回されず冷静に考えよう。転職を考えるきっかけとしては後ろ向きな感情でも構わない。自分の本来のパフォーマンスが十分に発揮できている状態ではないということだからだ。

転職を成功させるためには、今後のキャリアとしてどうありたいのか真剣に考え、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるような転職先を選ぶといった前向きな判断に持っていくことが大事ではないだろうか。

40代で転職に失敗する人の特徴2……今あるスキルを転職先でどう活かせるのか提案できていない

転職活動では自己PRが重要なことは言うまでもない。経歴や資格をただ並べただけでは積極性に欠ける。様々な課題を抱えている企業においては、与えられた仕事のみをこなす人物よりも、経験をもとに自ら考えて提案や実行ができる人材が求められているのだ。また、社会変化が激しいこともあり、柔軟な対応ができることも重要視されている。

一方で、40代であれば転職の動機がキャリアアップであると答える人も多いだろう。一見、前向きで好感が持たれるように思われるが、これが原因で失敗することもある。保守的な言動やキャリアアップを意識した給与や役職についての一方的な要求ばかりになるなど、自分の都合だけでは相手に響かない。

採用に至るには双方の要求をすり合わせていくことが大事なのだ。自分の要望だけではなく、どのようなスキルがあり、いかに企業に貢献できるのかを提案できることが望ましい。

40代で転職に失敗する人の特徴3……自分の市場価値が調査できていない

自分の評価が低すぎたり高すぎたりするなど、市場価値と合っていなければ採用される可能性が低くなる。仮にその状態で採用されても転職後に後悔する要因にもなりかねない。

失敗を避けるためには自分の市場価値を見極めることが必要だ。そのために複数の求人情報や統計情報など、判断の元となる情報を集めることが重要といえるだろう。

40代で転職に失敗する人の特徴4……40代の求人が少ないという固定観念にとらわれている

40代の中途採用の募集は20代、30代と比べて少ないのは事実だが、全くないわけではない。業界にもよるが豊富な経験を期待して募集している企業も多く存在している。

どうせろくな求人がないなどと固定観念を持ってしまうことで、情報の収集範囲を狭めてしまう可能性がある。限られた選択肢のなかで不本意な妥協をして、条件が合わない企業に転職してしまうなど本末転倒な結果にもつながりかねない。

確かに業界によっては40代の求人がかなり少ないところもあるだろうが、即戦力となる異業種のスキルを求めていることもある。転職先を探す際には、固定観念を外し、柔軟な発想で情報を収集することも大切である。

40代で転職に失敗する人の特徴5……待遇や職場環境のイメージと現実が異なり転職後に後悔する

転職サイトにある企業情報や募集内容が全てを表しているわけではない。そのため、内容から想像していた待遇や社風などが実際と異なることがあり、転職後に後悔するケースもある。情報収集が不足していると自分勝手な解釈をしたイメージでの転職となり、こんなはずではなかったと転職後に後悔してしまうので注意が必要だ。

転職を検討している企業に知り合いが勤めていれば話も聞けるだろうが、積極的に社外での人脈を構築していないのであれば、人伝での評判すら手に入らない可能性もある。

人脈からの情報が手に入らないのであれば、インターネット上で企業の口コミを探す、または面接の際の質問事項などを準備するなどの対策が必要となってくる。

40代での転職を失敗しないためには企業と今後のイメージを共有するのが重要

転職は企業と転職希望者、お互いの要求が一致して初めて成功する。しかし、企業によって求める人物像には違いがあるし、転職希望者の要望も千差万別であるため短時間でお互いのことを理解するのは至難の技だ。

お互いの理解を促進するためには、まずは転職活動の前に自分の望む未来のイメージを明確にしたい。それによって転職先を選ぶ上での自分の譲れない条件、妥協点なども見えてくる。自分の将来像や条件をハッキリ伝えれば企業側の意見も引き出しやすくなり、お互いにイメージのすり合わせもしやすい。

また、具体的なイメージを共有できれば企業側も適切な人材配置が可能になるため、転職後に求めていたものと違ったと後悔するケースは減るだろう。

40代の転職を成功させるためには、こうした失敗パターンを理解した上で、対策を講じる工夫が必要ではないだろうか。

文・渡邊全美(ITコンサルタント・経営者)/MONEY TIMES

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