第2四半期の決算シーズンが進むにつれ、過去9年に渡り米国市場をけん引してきた成長銘柄が勢いを失ってきているという現状が浮き彫りになってきた。

低調な決算内容や米中貿易戦争に伴う経済的な打撃により、米国市場は現況の経済サイクルのピークを打ったとの見方が強まってきている。

S&P 500
(画像=investing.com)

このような弱気な見通しは、今月米2年債と10年債での逆イールドが発生したことによりさらに加速している。2007年ぶりとなった今回の逆イールドは、1978年以来で最も信頼性の高い景気後退シグナルとなっている。

フェイスブック (NASDAQ:FB)、アップル (NASDAQ:AAPL)、インテル (NASDAQ:INTC)といった大手ハイテク銘柄も、ここ数ヶ月における需要の減速に苦しめられている。

フェイスブックの株価は先月の決算発表以来10%以上下落しており、またネットフリックス (NASDAQ:NFLX)も100万人以上の新規ユーザーを獲得するという予測を外してから18%近く株価を下落させた。またインテルも低調な決算報告を受け、下押し圧力を受けている。

大打撃を受けた工業企業

また工業セクターは経済の健全性と密接に関わっているため、低調な決算報告から特に大きな影響を受けた。鉱業・建設機械メーカーのキャタピラー (NYSE:CAT)は中国における関税や労働コストの増加を受け、業績予想を下方修正している。

また農業機械メーカーのディアー(NYSE:DE)の決算報告も低調な結果となり、業績予想も下方修正した。同社は米農家への販売量が減少したことを理由として挙げているが、同社の低迷は同社のみならず工業セクター全体に広がることが予想される。工業銘柄は8月3.9%の下落となり、これはS&P 500全体における1.9%の下落を大きく超えるものである。

工業セクターと同様に、小売りセクターも調整局面のあおりを受けている。同セクターは前期、まちまちの結果となった。大手のウォルマート(NYSE:WMT)とターゲット (NYSE:TGT)は堅調な決算となった一方、中堅企業は苦戦した。

小売りセクターにおける業績は、米国の消費者支出と密接に関わっている。オンライン販売に巨額投資を行い利便性を向上させた企業は、好調な結果となっている。

総括

第2四半期決算と業績見通しを見る限り、今年後半で今までと同様に米国株式に期待することはリスクが高いだろう。

ファクトセットの調べによるとS&P500の構成企業の2019年の利益は、最大でも1.5%増となると下方修正された。今年1月の時点では、6%以上の予想であった。

利益成長なくして、米国株価は米中貿易戦争などの経済リスクに対する耐性を得ることはできない。地政学的リスクの上で、今年後半の米国経済の行方は、FRBによる金融政策が握っているだろう。(提供:Investing.comより)

著者: ハリス アンワル