お盆休みが終了しました。8月相場は、途中NYダウが本年最大の下げを演じ、東京株式市場も大きく動揺する場面がありましたが、次第に例年同様の閑散相場になりました。9月はどのような相場になるのでしょうか。
もっとも、株式相場が閑散となったり、株価が不安定になったりすることは、株主優待や配当の権利を確保し、中長期スタンスで臨もうとしている投資家にとっては投資好機に映るかもしれません。特に9月は、3月に次いで株主優待を実施する企業数が多く、株主優待ファンの投資家にとっては、忙しい季節と言えそうです。
そこで今回の「日本株投資戦略」では、9月に株主優待および配当の権利が確定する銘柄について、投資家からの人気が高い20銘柄をそのままご紹介し、どんな会社なのか、業績はどうなのか等も含めて解説を試みました。
投資家に人気の9月株主優待銘柄はコチラ!?
それではさっそく、9月に株主優待および配当の権利が確定する銘柄について、投資家からの人気が高い20銘柄をそのままご紹介し、どんな会社なのか、業績はどうなのか等も含めて解説を試みたいと思います。
当社の株主優待検索ページで、9月に株主優待の権利が確定する427銘柄を選び出し、それを閲覧回数順で上位から20銘柄を並べたものが表1となります。ちなみに、冒頭でご紹介した通り、株主優待実施社数は3月の819社に次ぎ、9月が第2位になっています。
銘柄名右横のカッコ内の数字は決算月を示しています。ただ、ほとんどの銘柄は3月決算で、同決算期の銘柄は銘柄名右横は無印になっています。9月予想配当は3月決算銘柄の場合は予想中間1株配当（会社予想）を示しています。最低投資単位での優待内容は、100株を保有している場合の株主優待内容について、その概要を示すもので、必ずしもそのすべてを示すものではありません。
なお、株主優待を実施している銘柄の多くは、保有株数や保有期間によって異なる商品・サービスを提供しています。一般的に保有株数が多い程、保有期間が長い程、商品・サービスの魅力度は増すことが多いようです。
株主優待として贈呈される商品・サービス等の詳細については必ず、会社発表データをご確認ください。なお、※印を付けた銘柄は、株主優待サービスを受ける際に最低保有する期間や保有株数に条件が付けられている銘柄です。また株価、9月末予想配当ともに単位は「円」となっています。
権利付最終日は全銘柄が9/26（木）で、この日までに株主になっていないと9月の株主優待の権利を享受する権利は生じませんので、ご注意ください。
表1 投資家に人気の9月株主優待銘柄はコチラ!?
コード / 銘柄 / 株価（8/22） / 9月末予想配当(円） / 最低投資単位（100株）での優待内容概要
<1726> / ビーアールホールディングス / 335 / 4.0 / ※クオカード500円相当（1年以上保有）
<3205> / ダイドーリミテッド / 274 / 0.0 / 20%割引券×2枚
<2001> / 日本製粉 / 1,630 / 16.0 / 優待価格販売他
<2335> / キューブシステム / 758 / 8.0 / ※JCBギフトカード1,000円相当（200株以上）
<2374> / セントケア・ホールディング / 487 / 0.0 / 1,000円相当のクオカード
<8230> / はせがわ / 399 / 3.75 / ※食料品・菓子等(1年以上保有）
<9831> / ヤマダ電機 / 491 / 0.0 / 500円割引券×4枚
<4326> / インテージホールディングス（6） / 831 / 0.0 / 500円相当のクオカード
<3153> / 八洲電機 / 879 / 0.0 / グルメカード500円相当(長期継続特典あり）
<3289> / 東急不動産ホールディングス / 639 / 8.0 / 宿泊優待券他各種優待
<9202> / ANAホールディングス / 3,569 / 0.0 / 株主優待番号ご案内書1枚他
<7550> / ゼンショーホールディングス / 2,351 / 10.0 / 優待券500円×2枚
<7885> / タカノ / 724 / 0.0 / 1,000円相当のオリジナル商品
<3167> / TOKAIホールディングス / 974 / 14.0 / 天然水500ml等
<1848> / 富士ピー・エス / 456 / 0.0 / 500円相当のクオカード
<1828> / 田辺工業 / 744 / 0.0 / 500円相当のクオカード
<6848> / 東亜ディーケーケー / 777 / 0.0 / 500円相当のクオカード
<3397> / トリドールホールディングス / 2,373 / 0.0 / 100円割引券40枚（長期継続特典あり）
<6339> / 新東工業 / 885 / 12.0 / 1,000円相当のクオカード
<4732> / ユー・エス・エス / 1,981 / 25.6 / 500円相当のクオカード等
※当社株主検索ページ、各社WEBサイト等を参考にSBI証券が作成。配当政策や株主優待内容は変更される場合がありますので、最新データは常に会社発表データをご確認ください。
※ビーアールホールディングス（1726）、はせがわ（8230）の株主優待は1年以上の継続保有が前提になっています。
※インテージホールディングス（4326） は、2019年3月期の後は、2020年6月期（15ヵ月決算）になります。
人気の9月優待銘柄と優待内容・業績等をチェック
ここでは、表1でご紹介した銘柄の一部について、株主優待や業績等についてご紹介したいと思います。特に。株主優待について補足説明した方が良さそうな銘柄を取り上げました。
ダイドーリミテッド（3205）
100株以上の保有で、買物割引券（20%割引）2枚が贈呈されます。自社子会社運営オンラインショッピングサイトにて利用可能で、1回につき買物限度額は25万円（税抜）となっています。ただ、同社は業績が不調で今期も営業損益が赤字予想です。
日本製粉（2001）
全株主が自社グループ会社指定商品（アマニ油・サプリメント・ワイン等）の優待価格販売の権利を贈呈されます。また、100株以上保有の株主に｢ジュンコ・フローラ・スクール｣無料1日体験（小麦粘土でつくる｢パンの花｣レッスン）の権利等が付与されます。さらに、500株以上を1年以上継続保有した株主には、1,500円相当の自社商品詰合せ（パスタ等）が贈呈されます。
ヤマダ電機（9831）
9/26（木）に100株以上保有の投資家に、優待割引券（500円）4枚が贈呈されます。合計1,000円（税込）以上の現金による買物につき1枚利用可能（特別提供品は対象外、他の値引き券との併用不可）な割引券です。この券が500株保有では6枚、1,000株保有では10枚、10,000株保有では50枚贈呈されます。なお、3月末株主にも100株保有で優待割引券（500円）2枚贈呈等の株主優待があります。
インテージホールディングス（4326）
6月決算銘柄ですが、9/26（木）に100株以上保有の投資家に500円相当のクオカードを贈呈しています。保有株式数により、株主優待内容が異なります。2020年以降は権利確定月が12月に変更される予定です。
東急不動産ホールディングス（3289）
9/26（木）に100株以上保有の投資家は以下の株主優待を受けることができます。
（1）リゾートホテル宿泊優待券1枚
（2）宿泊優待共通券2枚
（3）スポーツ優待共通券2枚
なお、より多くの株式数を保有する投資家は、上記の優待券等の枚数が加算されます。また、3月末にはさらに充実した株主優待を受けることができます。
ANAホールディングス（9202）
9/26（木）に100株以上保有の投資家は、「株主優待番号ご案内書」を1枚贈呈されます。さらに、グループ企業の様々なサービス・商品を割引価格で利用可能な自社グループ優待券1冊が贈呈されます。
このうち前者については、ANA国内営業路線片道1区間が、大人・小児ともに「株主優待割引運賃」で利用することができます。
TOKAIホールディングス（3167）
9/26（木）に100株以上保有の投資家は次のいずれかの商品等のサービスを受けることができます。
（1）天然水（500ミリリットル）12本
（2）天然水（12リットル）1本宅配サービス
（3）500円相当のクオカード
（4）1,000円相当の自社グループ食事券
（5）自社グループポイント1,000ポイント
（6）モバイルデータ通信サービス割引2,100円相当
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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鈴木英之
SBI証券 投資調査部
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