★悲鳴を上げる中国。 週明けの米国株市場は取り合えず反発。 先週末はグローバル市場を揺るがした米中衝突でしたが、今度は懸念の後退です。 トランプ大統領は、中国が米中協議再開の申し入れをしてきたことを公表。もともと予定されていた米中首脳による電話会議も再び現実味を帯びてきたこともあって、株式市場はショートカバーとなったようです。 米中協議に関しては、G7後、マクロン仏大統領も「米中協議は動いている」と発言しており、現時点では具体性に欠けるものの、再び進展に向かっているようです。
★定点観測。 先週末NYダウが623ドル下げた後の、週明け269ドル高は、中途半端です。一時300ドル以上は上げていたようですが、それでも不十分です。 まだ市場は疑心暗鬼でしょう。VIX(変動・恐怖指数)は再び20を超えてきているので、売りがまだ続いているのも事実です。 が、とりあえずのショートカバーが優勢になったことも間違いありません。 言わば、底練りが8月5日以来断続的に繰り返されているという状態です。 ダウ公共株指数は史上高値更新です。 また移動平均線との位置関係は、ジャンクボンドを除けばまだ一つもありません。幸いこの最大のリスク指標であるジャンクボンドが、昨晩は25日線奪回して、一気に戻り高値更新となっており、市場のリスク認識が「無い」ということを示唆しています。
★米国債、長短金利逆転。 ちなみに、米10年国債も一応売られており、利回りは1.5351%に上昇。 2年利回りも上昇しており、1.5412%です。 10年利回り<2年利回りという逆転現象が再び発生しています。 14日に初めて逆転現象が起こってから、逆転と順列が繰り返されていますが、昨晩は再び逆転しており、次第に恒常化に向かうでしょう。 恐らく、先述のVIX指数が20を超えたというのも、アルゴリズムがなんとかの一つ覚えのように、「長短金利逆転は、不況のシグナル」という原則論を組み込んでいるために、機械的に起こったセルプログラム発動だったのでしょう。 いつも述べていますように、逆転現象から不況入りまで1年から2年はかかります。 そして、不況入り前には、必ずバブル化している歴史的事実があるわけですから、このアルゴリズムは金融市場の一大特性である「時間差」というものを、まったく考慮していないお粗末なものであると言うしかありません。
日経CME円建ては20530円。日経平均夜間取引は20540円。 週末の日経平均現物指数は20261円でした。先週末は20710円でしたから、先物はまだ200円弱足りませんし、5日線奪回もおぼつかない反発でしょうが、これで突っ込み3回目も底割れは回避ということにはなりそうです。
以下、「日米協議妥結をアメリカが急いだわけ」、「政策総動員の下半期になる」、「日本株も、もはや下がらない~景気循環が上向きに転じる」、「中国人民元、下げ止まらず~それでもネガティブインパクトにならない事実」等、詳細は「一粒萬倍勉強会」サイト https://www.ichiryu-manbai.com/ へ。週末配信もあります。無料お試し期間あり。(提供:Investing.comより)
著者:増田経済研究所 松川行雄