「週休3日」期間を設け、創造性を高める活動を
同社では、働き方・休み方の改革に着手して以降、社員のワークライフチョイスの実現が容易になり、特に女性の離職率が大きく改善された。また、テレワークの浸透によってフレキシブルな働き方が進み、業務の効率化も進んで、社員一人当たりの売上高が上昇したという。
さらに同社が期待しているのは、休日を自己啓発や社会貢献活動などに有効活用する社員が増えることで、一人ひとりの創造性が高まっていくことだ。高い創造性を持つ社員が増えれば、新たなアイデアが生まれやすい組織になり、事業にも必ずプラスになるはずだという思いが同社にはある。そこで今年8月に実施を予定しているのが、「ワークライフチョイス チャレンジ2019夏」と名づけたプロジェクトだ。これは、8月の全金曜日を休業日とすることで週勤4日・週休3日を実現し、この期間に自己啓発活動や社会貢献活動、家族との時間を充実させる活動を支援して、社員に対して費用の補助や実践プログラムの提供を行なうというものだ。
「この期間は、休日は増えますが、だからといって業務量が減るわけではありません。ですから社員は、短い労働時間でどれだけ効率的に働くことができるか、生産性の向上に挑戦することにもなります」
高い生産性と創造性を発揮しながら短い時間で効率的に働き、そのぶん、よく休み、よく学ぶ。そして、よく学ぶことによって創造性が高まり、短い時間で高いアウトプットを出せる個人や組織へと変わっていく。同社の働き方改革・休み方改革の取り組みは、こうした正のスパイラルが回ることを狙ったものだ。
《取材・構成:長谷川 敦 写真撮影:まるやゆういち》
《『THE21』2019年7月号より》
THE21編集部(『THE21オンライン』2019年07月29日 公開)
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