「資産」と聞いてまず思い浮かぶのが現金、お金ではないだろうか。しかし、金利とともに現金の価値は下がり続け、お金のもつ価値は薄れかけているようにも見える。

大手銀行出身、独立後は投資運用のプロとして富裕層向けの投資アドバイスを行い、現在は学校法人や公益法人の運用アドバイスを手がける粟津久乃さんへのインタビューでは、改めてお金の価値を問い直し、これからの投資について考えていきたい。(取材・藤堂真衣/写真・森口新太郎)

粟津久乃(あわづひさの)さん
インディペンデント・フィデュシャリー株式会社マネージングディレクター。大学卒業後、東京三菱銀行で融資と資産運用を経験し、シニアファイナンシャルプランナーとして活躍。2007年に株式会社リスクマネジメント・ラボラトリーに参画。銀行員時代の経験と投資に関する知見を活かし、主に富裕層を対象とした投資アドバイスを行う。インディペンデント・フィデュシャリー株式会社にて学校法人・公益法人を対象とした運用アドバイスを行っている。2010年早稲田大学大学院ファイナンス研究科卒。

自分が許せる「損」はどこまでかを考える

Moneylist#13
(写真=森口新太郎、ZUU online編集部)

──法人はあまりハイリスク・ハイリターンな投資をしない、というのはうなずけます。個人の方で、「大儲けしたいんです!」という方に会ったことはありますか?

もちろんありますよ(笑)。特に男性はやはり大胆というか、ギャンブル要素のあるところがお好きな方が多いですね。「競走馬を見るかのように株を見たい」とおっしゃる方もいますし、それは人によってお好みがありますね。

ただ私はそこで「リスクをとれる範囲を決めましょう」とお伝えしています。

──どれだけのリスクをとれるか、ということですか。

例えば、100万円の資金が150万円に増えるかもしれない商品があるとします。ですがそれは、50万円になってしまうかもしれない商品でもあります。この「上下に動く50万円」がリスクの範囲です。

損害が出たときに、いくらまでなら許容できるかをしっかりと考えておくようにしてください。それは人によって違いますから、「10万円でも減らしたくない」というお気持ちであれば、そうした商品を選ぶのが正解です。

──ちなみに粟津さんは、個人の顧客には富裕層の方が多かったとのことですが、そういった方とはどうやって知り合うのですか?

私の場合は、ご紹介がほとんどです。同じようにアドバイザーとして活動している方には積極的に営業活動している方や、投資セミナーを開いてお客様を集める方もいらっしゃいますが、私は基本的に営業活動をせず、お客様から他のお客様をご紹介いただいています。

──なるほど……!それだけお仕事に信頼感があるということだと思うのですが、お客様から信頼されるために心がけていることはありますか?

レスポンスを早くすること、清潔感を持つこと、こういった最低限のことも必要ですが、 顧客の事業に興味を持ち、どうあるべきか、悩みや希望などを上手に聞き、バランス化させて、最終的に答えを纏められることが必要だと思います。

人それぞれお金の価値観も、人生計画も全く違うのですから、答えは一つではなく、千差万別。その中で、いかにバランス化させて最適な状況に導くか、ですかね。

また、自分の仕事に自信を持っていないならば顧客も不安になります。自信を持ち、顧客の利害と自分の利害が一致していること、本心より顧客を支えていきたいという思いは大切でしょうか。

お金にまつわるパートナー探しをしよう

Moneylist#13
(写真=森口新太郎)

──お金に関する知識があまりない人はやはり金融機関に頼りがちですが、これから投資を考えるにあたり、まずは何からすればよいのでしょうか?