世帯別,年代別
(画像=sebra/Shutterstock.com)

目次

  1. 各種世帯の平均貯蓄額
  2. 20代の平均貯蓄額
  3. 30代の平均貯蓄額
  4. 40代の平均貯蓄額
  5. 50代の平均貯蓄額
  6. 60代の平均貯蓄額
  7. まとめ

子どもの教育費や老後資金、いざというときの備えのために、少しでも多く貯蓄しておきたいと考える人は多いのではないでしょうか。収入やライフスタイルなどによって必要な貯蓄額は異なりますが、周囲の人たちの金額がわかれば、いくら貯蓄をすればいいか判断する目安になります。

しかし、友人や知人に貯蓄額を聞いたり、自分の貯蓄額を打ち明けたりするのはなかなか難しいかもしれません。そこで今回は、厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況」をもとに、世帯別・年代別の平均貯蓄額をご紹介していきます。*1

各種世帯の平均貯蓄額

各種世帯の1世帯あたりの平均貯蓄額は以下の通りです。

全世帯:1031.5万円
高齢者世帯:1221.6万円
児童のいる世帯:679.9万円
母子世帯:327.3万円

全世帯の平均貯蓄額は1031.5万円です。高齢者世帯の平均貯蓄額は、全世帯より190.1万円多い1221.6万円となっています。また、子育て中の世帯は全世帯に比べて平均貯蓄額が少なく、特に母子世帯は大きく下回っています。

全世帯で構成割合が最も大きいのが、「500万円~700万円」の9.4%です。3,000万円以上貯蓄がある世帯の割合も8.8%と比較的大きくなっています。一方で、貯蓄がないと回答した世帯を含め、100万円未満の割合は全体の23.1%を占めています。これらの数字から、全世帯の約4分の1は貯蓄額が100万円未満であり、貯蓄額が多い世帯が平均を押し上げていることがわかります。

児童がいる世帯でも、構成割合が最も大きいのは「500万円~700万円」の10.9%です。しかし、「100万円~200万円」の割合が10.3%で2番目に大きくなっています。また、貯蓄がないと回答した世帯を含め、100万円未満の世帯の割合が全体の23.8%を占めています。児童がいる世帯は教育費がかかり、マイホーム購入のために借入金(住宅ローン)の割合も大きいことから、平均貯蓄額が少ない傾向にあると考えられます。

20代の平均貯蓄額

20代の1世帯あたりの平均貯蓄額は154.8万円で、年代別では平均貯蓄額が最も少なくなっています。他の年代に比べて、働いている期間も短いため、収入が少ないうちは大変かもしれませんが、収入の一定額をコツコツ貯蓄に回す習慣を身につけるのがおすすめです。収入の増加に合わせて貯蓄に回す金額も増やしていくと、無理なくお金を貯めることができるようになるでしょう。

ただし、20代はさまざまな経験を積んで、将来のキャリアの土台を築いていく時期でもあります。スキルアップや人間関係の構築のために、自己投資や交際費にお金を使うことも大切です。

30代の平均貯蓄額

30代の1世帯あたりの平均貯蓄額は403.6万円で、20代からは248.8万円増加しています。30代は結婚、出産・子育て、マイホーム購入など、ライフイベントが集中する時期です。そのため、まとまったお金が必要になります。

厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況」では、1世帯あたりの平均借入額も公表されています。30代の平均借入額は865.7万円と年代別で最も多く、住宅ローンを利用してマイホームを購入する世帯が多いことが理由だと考えられます。賃貸と持ち家はそれぞれメリット・デメリットがあり、貯蓄にも大きな影響を与えるので、ライフスタイルに応じて選択することが大切です。

一方で、30代は貯蓄ができる時期でもあります。人生には「お金の貯めどきが3回ある」と言われており、具体的には以下の通りです。

1回目:結婚直後で子どもがいない時期
2回目:子どもが小学校に入学するまで
3回目:子育てが終わってから定年を迎えるまで

貯めどきの1回目と2回目は、30代で迎えることが多くなります。30代で貯めておくと後で楽になるため、子どもが大きくなる前にがんばって貯蓄に取り組んでみましょう。ある程度貯蓄ができたら、お金を効率的に増やすために、投資信託等の先を見据えた資産運用を検討するのもおすすめです。

参考:老後は賃貸or持ち家、どっちがお得?リスクやメリット、必要な備えもご紹介!
参考:貯蓄の基本と投資信託の始め方について

40代の平均貯蓄額

40代の1世帯あたりの平均貯蓄額は652.0万円で、30代から40代は248.4万円増加しています。平均貯蓄額の増加ペースは、20代から30代のときとほぼ同じです。40代は会社員なら管理職を任されるなど、仕事の責任が大きくなると同時に収入も増える時期になります。

一方で、30代に引き続き、住宅ローンの返済があります。また、子育てをしている場合は子どもが大きくなって高校・大学の学費がかかるため、人生で最もお金がかかる時期と言えるかもしれません。このように、40代はお金を貯めにくい時期ではありますが、老後に向けてコツコツ貯蓄・資産運用に取り組みたいところです。

50代の平均貯蓄額

50代の1世帯あたりの平均貯蓄額は1049.6万円で、40代から50代は397.6万円増加しています。30代から40代のときに比べると、平均貯蓄額の増加ペースは上がっています。50代は子育てが一段落すれば、人生で最後の貯めどきを迎える時期です。老後資金を十分に確保できるように、がんばって貯蓄に取り組みましょう。

住宅ローンが残っている場合は、手元資金とのバランスを考えながら繰り上げ返済するのも有効です。また、資産運用に取り組んでいる場合は、資産を増やすこと以上に、元本を大きく減らさないことが大事になってきます。少しずつ資産配分を見直して、リスクを抑えた運用を心掛けましょう。

60代の平均貯蓄額

60代の1世帯あたりの平均貯蓄額は1337.6万円で、50代からは288万円増加しています。定年を迎えて退職金を受け取ると、一時的に貯蓄額が大きく増えるかもしれません。しかし、収入源が年金だけになるなど、収入が大きく減少する場合は、貯蓄を計画的に取り崩していく必要があります。

現在は、本人が希望すれば定年後も引き続き働ける「継続雇用制度」や65歳定年制など、60代以降も働ける環境が整ってきています。*2

また、週3回だけ働くなど、体力やモチベーションに合わせて働く方法もあります。必要な貯蓄額を確保するために、状況によっては60代以降も働くことを検討しておきましょう。 (目次へ戻る)

まとめ

今回紹介した世帯別・年代別の平均貯蓄額は、あくまでも平均です。必要な貯蓄額は、世帯の状況やライフスタイルによって異なります。平均額に足りないと生活できないわけではありませんし、上回っていれば必ず安心できるわけでもありません。

しかし、平均貯蓄額を知ることは、自分に必要な貯蓄額を考える際の目安にはなります。いくら貯蓄すればよいかわからない場合は、まずは各年代の平均貯蓄額を参考に、貯金や資産運用に取り組んでみてはいかがでしょうか。

*1 出所)厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査の概況」

*2 出所)厚生労働省「高齢者の雇用」

(提供:mattoco Life)