人気キャスターの人生を変えた気象予報士試験
平日朝の情報番組『とくダネ!』の「あまたつー! 」でおなじみ。画面からも伝わってくるその人柄から、お茶の間の人気者となっている天達武史氏。実は気象予報士の試験に6回不合格となり、7回目でやっと合格を果たしている。その裏には、これまで頑張ることができていなかった人生を資格取得で変えるという強い気持ちがあった。資格取得までの道のりと、その後の仕事について詳しくうかがった。
気象予報士を目指した切羽詰まった理由とは?
朝の天気予報でお茶の間の高い人気を誇る天達武史氏だが、そのキャリアのスタートは30歳と遅咲き。ファミリーレストランのアルバイトだった天達氏の運命が一変したのは「気象予報士」の資格合格だったという。
「デザインの専門学校に通っていた学生時代からファミリーレストランの厨房で働き出して、気がついたら20代半ば。周りはどんどん仕事を確立していく中で、自分だけ置いてけぼり。
この危機的状況を脱するには、資格取得しかない!と、気象予報士の資格に挑戦してみようと思い立ったのです」
働いていたレストランは、海沿いのリゾート地。天気次第で売上げが大きく左右される。食材の仕入れも担当していた天達氏にとって、天気予報は大切な情報源だった。
「天気には興味がありましたし、あまり持っている人が多くない資格なら、何かキャリアが拓けるかもしれない。本当に安易な理由で始めたんです。はい」
志望理由は単純だったかもしれないが、状況は切実だった。
「これまでの人生になんの成功体験もない。これだという仕事もない。このままじゃ、自分は生きている意味がないんじゃないかというぐらいまで、追い込まれていました」
切羽詰まった天達氏は、約30万円を払って気象予報士通信講座を申し込む。
「ところが、テキストを読んでもさっぱりわからない。高校時代は野球一筋だったから、小中学校レベルで知識が止まっていたんですよ。
気象予報士の試験は、地理、物理、数学など、広範囲から問題が出題されます。これはヤバイぞと頭を抱えました」
結局、小学校4年生レベルから勉強し直し、問題文を理解するところから始めた。
「あまりに道のりが遠すぎて、『今日はこの1問を解くぞ!』とか、できるだけ小さな目標を掲げて、それを一つひとつクリアしていくようにしていました。
週5日で働いていたので、休日を勉強日にして、1日10時間みっちり勉強しました。そんな感じで2、3年ぐらい続けましたが……これが全然、受からないんですよねえ」
気象予報士の試験は合格率約5%と超難関。まったく歯が立たず、天達氏は6回もの不合格通知を受け取ることになる。