知識が定着する勉強法は高校生に教わった?

不合格通知を何度も受け取りながらも諦めなかったのは、「ここで踏ん張らないと、一生このまま浮上できない」という思いだったという。

ある日、勤務先で新しく入った高校生バイトに、資格試験に苦戦していることをふと漏らした。

「どう勉強しているのかと聞かれて、休日に集中してやっていると言ったら『それがダメなんですよ!』と叱られたんです。

なんだ、このやろう!と思いましたが、彼が言うには『30分でもいいから、毎日続けてください。そのほうがはるかに効率がいいですから』と。理系の頭のいい学校の子だったので、これは一つ信じてやってみようと」

以来、バイトの2時間前に職場近くの図書館に立ち寄り、毎日少しずつ勉強するようにした。

「2時間しかないから、これまでに増して集中して取り組むようになりましたね。毎日決まった時間に勉強することで、習慣として定着して、休みの日も同じ時間に図書館に行って、夕方ぐらいまで勉強していました」

毎日勉強するようになって何より変わったのが、理解度と知識の定着率が著しく向上したことだったという。

「3カ月ぐらい続けた頃に、バラバラだった知識が線でつながって『わかる!』と理解が進み出したのです。

毎日勉強することで、内容を覚えているうちに、関連した次の新しい情報を取り込むことができ、早いスピードで体系的な知識が積み上がっていったのだと思います」

こうして勉強もようやく軌道に乗り、27歳のとき、7度目の気象予報士の試験にようやく合格を果たしたのだ。