病気になってお金に不自由するのは嫌だけれど、扶養する家族がいるわけでもないし、絶対に病気になるわけでもない。保険は必要だけれど、正直、負担は大きくしたくない。そんな40代のおひとりさまはどんな保険を選ぶべきなのか解説します。
アラフォー独身女性の医療保険
人は年齢を重ねるにつれ、病気になる確率が高くなります。40代は、まだ自分が病気やケガに見舞われたことはなくても、周囲の同世代で大きな病気にかかる人が出てきてもおかしくない年代です。親や周りの闘病生活を見て、保険加入を検討し始める方も多いでしょう。
ただ、アラフォー独身女性に医療保険は絶対必要か、というと必ずしもそうではありません。医療保険に入っておいたほうがいい方もいれば、特に必要ない方もいます。
病気のための医療保険で損をしない選び方
医療保険が必要ない可能性が高いのは、「貯金が十分にある人」です。
生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(2019年)」によると、直近で入院経験がある方が「自己負担した医療費」と「病気やケガで働けなかったために得ることができなかった収入」の合計金額の平均は約30万円でした。100万円以上と答えた方も5.5%いましたが、残りの方はそれ以下で収まっています。
100万円程度の貯金があるなら、入院することになったからといって急に金銭的に困窮する可能性は低いので、医療保険は不要と判断することもできますね。逆に、医療保険に入っておいたほうがいいのはどんな人かというと、「貯金が少ない方」と「自営業やフリーランスの方」です。
貯金が少ない人は、医療費がかさむようになってしまうと、すぐに家計が回らなくなるかもしれません。「お金がないから保険に入らない」という方もいますが、本当はお金がない方にこそ保険が必要なのです。ある程度貯金ができるまでの間だけでも、シンプルな保障内容でよいので加入しておくと安心ですよ。
自営業やフリーランスの方は、会社員や公務員の方に比べて収入が不安定になりやすいうえ、もし働けなくなっても有給休暇も傷病手当金も厚生年金もないなど社会保障が手薄です。会社や組織が守ってくれない分、自分で備えておくことを検討しましょう。掛け捨て型を選べば月々の保険料を抑えて加入できます。
がん保険や特約はつけておくべき?
一般的な医療保険は基本的に「広く浅く」保障してくれるものなので、ある程度の出費に耐えられる家計で、その浅い(=少ない)保障が不要ということであればわざわざ加入しなくてもよいと判断できます。浮いた保険料を貯金や運用に回して、自分で備えるという方法もありますね。
民間の医療保険やがん保険に入っていなくても、毎月お給料から保険料を引かれている「国の健康保険」があります。原則3割負担で済むほか、高額の医療費がかかっても自己負担を一定額までに抑えられる「高額療養費制度」や、会社員や公務員が働けない場合にお給料の約3分の2を支給してくれる「傷病手当金」なども利用できますよ。
ただ、貯金があれば医療保険は不要と言われても「それでもやっぱり不安だ」という方もいるでしょう。その場合、多額の医療費がかかる可能性のあるがんに特化して備えられる「がん保険」や全額自己負担が必要な先進医療の治療費をカバーする「先進医療特約」などを使って、「狭く深く」保障を持っておくのがおすすめです。
がん保険やがん特約に入っていれば、がんと診断された時点でまとまった診断給付金をもらうことができるので治療費に充てることも当面の収入源に耐えるため生活費に充てることもできます。また、傷病手当金は最長1年6ヵ月受け取れますが、がんの治療はそれ以上の長期間に及ぶ可能性もあるため、その備えにもなります。
40代女性の医療保険の保険料目安
医療保険はいくらくらいで加入できるものなのか、以下はその目安です。当然ですが、どんな医療保険でどのくらいの金額をどのように備えるのか、保険会社によっても保険料は違います。今回は40歳女性が入院日額5,000円の医療保険を選び、一生涯保険料を払い続けて一生涯保障してもらうタイプで先進医療特約を付けた場合で比較しています。
・シンプルな掛け捨て型……月2,000円程度
・掛け捨てではなくお金が貯まるタイプ……月5,000円程度
・掛け捨て型+特約(がん含む三大疾病50万円保障)……月4,000円程度
・がん保険(がんと診断されたら100万円、入院日額1万円)……月3,000円程度
自分が不安を感じる部分は医療保険を検討してみて
保険は自分の不安を取り去るためのものです。不安を感じる部分があれば、そこをカバーできる保険がないか、いくらくらいで入れるのか調べて、お財布と相談しながら検討してみましょう。
文・馬場愛梨(「貧困女子」脱出アドバイザー/ばばえりFP事務所 代表)/fuelle
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