老後に必要なお金は2,000万円、3,000万円と色々な説がありますね。一人暮らしの場合、夫婦の場合、持ち家の有無など、それぞれの状況によって準備する老後資金は変わってきます。私の場合、老後資金はいくら必要?どうやって貯める?そんな疑問にお答えします。

賃貸それとも持ち家?一人暮らしの老後に必要な資金と収入のシミュレーション

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(画像=PIXTA)

一人暮らしの老後の収支はどうなるでしょうか?総務省の統計によると65歳以上の無職単身世帯の支出(住居費除く)は約14万3,000円となっています。そのうち、社会保険料や税金などの非消費支出が約1万2,000円で、消費支出は約13万円です。一方、仕事をしている単身世帯の住居費と非消費支出を除く支出は約15万円となっています。(総務省統計局「家計調査~家計収支編~2018年」)

65歳以降になると、食費や被服費、交通費、娯楽費は現役世代に比べると減りますが、医療費や光熱費は、現役世代に比べると増えています。ライフスタイルが大きく変わるので、お金を使うところも変わってきますね。

気になる老後の年金は、前述の統計では11万8,000円となっており、その他の収入と合計しても12万6,000円で、毎月1万6,000円の赤字が発生しています。もし、家賃が6万円なら、毎月7万6,000円の赤字となりますね。90歳まで生きると仮定すると、65歳から25年間の不足分は、2,280万円となります。(7万6,000円×12ヵ月×25年)持ち家でも、固定資産税やメンテナンス費が必要となります。住宅ローンを65歳までに完済できるとしても、住まいにかかるお金を想定しておきましょう。

退職金制度がある場合は、自分で準備するお金は少なくてすみますね。会社の先輩や総務の担当者に聞いて、どれくらいもらえるかチェックしておきましょう。

一人暮らしとどう違う?夫婦に必要な老後資金と見込める収入のシミュレーション

夫婦2人世帯の場合、単身世帯と比べて収入は増え、生活費も共有できると思いきや、前述の統計を見てみると、住居費を除く毎月の赤字は約2万8,000円と単身世帯と比べて赤字が膨らんでいます。(収入は22万4,000円、住居費を除く消費支出は22万2,000円)子どもや孫への資金援助、親戚付き合いなどが増えるからかもしれませんね。

総務省統計局「住宅・土地統計調査(2018年)」によりますと、1ヵ月あたりの家賃は5万5,675円であり、住居費を含めた毎月の赤字は約8万3,000円で、25年間の不足分は2,490万円となります。

ただし、2人以上世帯の持ち家率は82.6%となっていることから、賃貸ほど住居費はかからないと考えられます。(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査~2人以上世帯調査~2018年」)

老後資金を考える時は、賃貸か持ち家(65歳までに住宅ローンを完済)かで、必要な金額は大きく変わってくることが分かります。

老後資金の不足分は40代から準備しよう!老後に必要な資金を夫婦で貯める方法

夫婦でお金について話し合うことが難しいと思う方もいらっしゃると思います。「妻はお金を貯めたいと思っているけど、夫が協力的でない」、「妻は家にお金をかけたいけど、夫は旅行や趣味にお金を使いたい」など、夫婦でお金の価値観が合わないこともあります。また、お金の貯め方については、妻は投資をしてみたいと思っても夫は反対、と意見が対立してしまうことも……。

お互いに我慢をすると夫婦の関係がギクシャクしてしまうので、無理に意見を合わせる必要はなく、「認め合う」気持ちを持つことが大切です。「老後はどんな暮らしがしたい?どれくらいお金が必要?いつまで働く?」と、まずはパートナーに質問を投げかけてみましょう。

共働き夫婦の場合は、家計を別にしていることもありますが、貯蓄目標を共有していれば、家計を一緒にする必要はありません。貯蓄用の口座をそれぞれ作って、1年に1度、結果発表をする機会を作ってみるのも良いですね。節約術や工夫していることを話合うと、モチベーションアップにも繋がります。お金の貯め方も銀行だけでなく、保険や投資信託など夫婦で情報を集めて、金融商品も活用してみましょう。

老後資金を貯め始める時期は、早ければ早いに越したことはありませんが、40代が始めやすい時期といえます。結婚、出産、住宅購入などのライフイベントが終わり、収入の見通しも立つ頃だからです。ただし、子どもがいる場合は一番教育費がかかる年代です。今は貯められなくても、子どもが独立した後、教育費が浮いた分を貯める計画を立てておくと良いですよ。

老後資金を貯めながら夫婦でできる楽しみも見つけよう

お金を貯めるなら節約が必須ですが、無理をすると継続できません。食費を減らす、ポイントを貯める、なども良いですが、お金のかからない趣味を持つのもオススメです。夫婦で話をしながらウォーキング、図書館でゆっくり過ごす、といった休日も新鮮かもしれません。

老後にどれくらいの資金が必要かは、貰える年金や退職金など収入によっても異なりますし、お金の使い方が人それぞれなので、正解はありません。周りの情報に振り回されて、闇雲に行動するのではなく、「私の場合は……」と地に足をつけた将来のマネープランを考えておくことが大切です。老後の生活を具体的にイメージして目標を決めることで、実行できるマネープランができますよ。

文・冨士野喜子(ふじのFP事務所所属)/fuelle

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