ZUU online magazine2019年12月号特集(10月21日発売)からお届けします。

ZUU online magazine
『ZUU online magazine』2019年12号(10月21日発売)
好景気に沸き、史上最高値を更新し続ける米国株。世界中の投資家が参戦している米国株式市場に乗り遅れているならもったいない話です。今では米国株の売買手数料も格段に安くなり、海の向こうの株式市場に日本からも気軽に投資できるようになっています。一方、最近ではバリュー(割安)株が買われるなど、日本株の割安度が高まってきました。長期投資用に米国株、短期や中期なら日本株といった戦略も魅力的です。そんな両市場を展望し、日米の有望銘柄を厳選しました。※画像をクリックするとAmazonへ飛びます

好景気に沸く米国フロリダからリポート

#07 ツイッター砲の撃ち時も計算済み。 景気と株価に敏感なトランプ政権
(画像=Shutterstock, ZUU online magazine)

史上最高値近辺で推移する米国株。一方、いまだに2万円近辺で推移する日経平均株価。儲からない日本株に嫌気が差した日本の個人投資家の資産が米国株にシフトしているという。好景気に沸く、米国フロリダ州からコンテクスチュアル・インベストメンツの広瀬隆雄氏が米国株の注目点と今後についてリポートする。

広瀬隆雄
広瀬隆雄 TAKAO HIROSE
コンテクスチュアル・インベストメンツ マネージング・ディレクター
三洋証券、S.G.ウォーバーグ証券(現UBS証券)、ハンブレクト&クィスト証券(現J.P.モルガン証券)を経て、2003年に投資顧問会社、コンテクスチュアル・インベストメンツLLCを設立。マネージング・ディレクターとして活躍。米国フロリダ州在住。マネックス証券が運営するネットメディア「マネクリ」で「広瀬隆雄のやっぱり米国株」を連載中。

トランプ減税で個人消費は好調。好景気が実感できる米国

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(画像=Herbert Kratky/shutterstock.com)

ショッピングを楽しんだ客が大きなバッグを抱え、持ちきれない品物は従業員が手押しカートで駐車場まで運ぶ―。私の住む米国フロリダ州のデパートは活況が続き、米国の個人消費の盛り上がりを肌で感じさせる。米国の景気はとてもよく、GDPの約7割を占める個人消費が特に好調だ。トランプ減税の効果による部分が大きいのだろう。

ただ、個人消費は景気の遅行指標。景気がいいから個人消費が活発なのは確かだが、この先の好景気が保証されるわけではない。米国株の先行きについても強気で見ているが、リスク要因が増えているのも事実だ。

今、米国株のPERは19倍台と、過去5年の平均とほぼ同水準に位置する。S&P500指数ベースの1株当たり利益は今年7~9月期に小幅なマイナスに転じる公算が大きいが、その後は少しずつ上向いていく見通しだ。しかも、市中金利は低水準で推移しており、株式にとってプラスの環境といえる。

FRBが12月か来年1月のFOMCでもう1回、各0・25ポイントの〝秩序だった利下げ〝を実施し、景気拡大や株価上昇が再加速する。これが今後のメインシナリオであり、大方の市場参加者にとってベストシナリオでもある。

注意したいのは金利の引き下げ幅だ。