不動産投資は、生命保険の代わりになります。不動産投資ローンを組む際、団体信用生命保険(団信)に加入することで、それに一般的な生命保険の機能を持たせることができるのです。不動産投資と生命保険のメリットを比較しますので、資産運用やライフプラン設計に役立ててください。

生命保険の主な機能は「保障」「貯蓄」「節税」

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(写真=smolaw/Shutterstock.com)

生命保険には、主に以下の3つの機能があります。

保障

保険の機能の代表格は、保障です。死亡したときや病気・ケガをしたとき、契約内容に従って保険金が支払われます。

保障の機能は、契約者がお金を出し合うことによって成り立ちます。しかし、保険金の支払事由となる出来事がなかった人は、保険料を支払っただけで何ももらえません。

貯蓄機能がある商品も

これを避けたい人のために、貯蓄機能を持つ保険があります。これは保障機能を備えながら、解約した場合は一定の割合でお金が返ってくるものです。満期になると保険金が支払われる、養老保険や学資保険という生死混合型の保険もあります。

節税に使われることも

生命保険は、さまざまな節税にも使われます。保険料を支払っている期間は、生命保険料控除によって所得税や住民税の減税ができます。また、生命保険は相続税対策にも使われます。非課税枠が「500万円×法定相続人の数」まで認められるため、現金のまま相続するよりも死亡保障のある生命保険に加入したほうが、相続税を少なくできるのです。

団体信用生命保険を利用した不動産投資は3つの機能を備えている

不動産投資ローンを組む際、ほとんどの場合、団信に加入することができます。加入すると、死亡や高度障害を負った場合などに、残りのローンが免除される仕組みです。

団信付きの不動産投資ローンは、上記の3つの機能を備えています。

保障機能

ローン返済中に万一のことがあると、家族などの相続人は収益性のある不動産を手にします。これを売却すれば現金が手に入りますし、家賃収入を受け取り続けることもできます。これは、生命保険の保障機能の代わりと言えます。

貯蓄機能

団信自体は貯蓄性のない掛け捨て型の保険ですが、不動産投資には資産形成の機能があります。ローンを完済すると、不動産は完全に自分の資産になります。これは、生命保険の貯蓄機能の代わりになります。

節税機能

団信への加入にかかわらず、不動産投資は節税にも役立ちます。収入が必要経費を下回った場合、給与所得などと損益通算することで、所得税の還付と住民税の減税を受けることができます。相続税についても、不動産は時価の7~8割で評価されるため、現金のまま相続する場合よりも税金を抑えることができます。

どの機能を比べても不動産投資が優位

3つの機能すべてにおいて、不動産投資は生命保険に対して優位性があります。貯蓄機能に関しては、ローンを完済して手元に残る資産価値を考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば自己資金が300万円で、ローン返済期間中の実質的な負担を月5,000円とします。30年間で完済したとすると、総支払額は480万円です。東京など需要が多いエリアのマンションであれば、築30年でも資産価値は1,000万円以上はある可能性があります。

一般的な生命保険による節税は、所得税と相続税いずれも控除できる上限が決まっていますが、不動産投資の場合、上限はありません。控除の仕組みは基本的に同じなので、より多く節税できる可能性があるのは不動産投資ということになります。

生命保険のメリットは迅速性

もちろん、生命保険にもメリットはあります。それは迅速性です。保険金は1週間程度で振り込まれるため、遺族はすぐに生活資金を確保できます。一方、不動産の場合は売却が完了するまでに数ヵ月かかることも珍しくありません。

節税効果を高めたい場合は、不動産投資に加えて生命保険にも加入するといいでしょう。

メリットの多い不動産投資を行い、必要に応じて生命保険に加入するというスタンスが合理的です。多くの人はすでに生命保険に加入しているでしょうから、不動産投資を始める前に生命保険を見直すことをおすすめします。

保険と不動産にはそれぞれの役割がある

団信付きのローンを組んで不動産投資を行うと、貯蓄・保障・節税の機能を備えた生命保険の代わりになります。生命保険のメリットは、保険金がすぐに振り込まれることです。それぞれの節税機能に着目し、2つを併用する人もいます。不動産投資を行う際には、生命保険を見直すと機能の重複が見つかり、無駄を省けることがあります。(提供:Dear Reicious Online

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