かつては役所風にデスクが均等に配置されている会社が多かったのではないでしょうか。近年は洗練されたデザインやレイアウトのオフィスも見られるようになってきました。社員が働きやすく来客に好印象を持たれる「良いオフィスデザイン」とはどのようなものでしょうか。そこで今回は小規模ビルにおける2つの良いオフィスデザインの事例について紹介します。

会社も見た目が大切

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(写真=Pixachi/Shutterstock.com)

「人は見た目が9割」とよくいわれますが、会社のオフィスデザインも同じことがいえるのではないでしょうか。本社オフィスは会社の顔です。整理整頓が行き届き、洗練されたオフィスは「きちんとした、仕事ができる会社」という印象を与えられることが期待できます。来客を招く応接室や打ち合わせに使う会議室なども、好印象を持たれるデザインにすることで商談の成立に貢献するかもしれません。

ではオフィス内の箇所別に、「オフィスデザインの好事例」のポイントを確認してみましょう。

第一印象を左右するエントランス

会社を訪れた人の第一印象を大きく左右するのがエントランスです。

好印象を与えるオフィスの共通点は、エントランスがすっきりしていること。小規模ビルの場合はエントランスに受付があることは少ないため、会社のロゴや社名を目立たせるためにも物は置かない例が多い傾向です。

エントランスのアクセントとして観葉植物を設置している会社もあります。植物はマイナスイオン濃度を高めるので空気清浄効果が期待できるとともに、植物の緑には人をリラックスさせる効果があります。会社を訪れる人の目に優しく気持ちを和らげるため、エントランスにアクセントとして設置するなら観葉植物は有益な選択肢の一つといえます。まずはエントランスの改善から検討してはいかがでしょうか。

トレンドになったオープンフロアオフィス

新しいオフィスの形としてトレンドになっているのがオープンフロアオフィスです。「間仕切りがない」「レイアウトが自在」「機動的に業務を行える」といったメリットから近年取り入れる企業が増えています。特にオフィスの移転を機に、複数のフロアに分かれていた機能をワンフロアの広いスペースに集約する例が多い傾向です。

小規模な共同ビルの場合はワンフロア=1社が基本となるので、オープンフロアオフィスに近い形態といえます。中規模ビル以上の場合は大胆なオープンフロアにするのは難しいですが、少しでも開放感を感じさせるレイアウトにするためには、なるべく間仕切りを少なくするなどの工夫はできるでしょう。

オフィスのカラーコーディネイトも重要

色彩が人に与える心理的影響については、さまざまな研究論文が発表、上梓され実証されています。カラーコーディネイトを考えることは社内全体に好影響をもたらすことが期待できます。

例えば、会議室。基本的に社内の予定に使用する部屋ですが、外部の人との打ち合わせで利用する場合もあるでしょう。キヤノンシステムアンドサポートがホームページで紹介している「色彩が与えるおもな影響例」によると、青系は以下のような効果があるとされています。

  • 体感温度を涼しく感じさせる
  • 集中力を高める
  • 冷静な判断ができる
  • 早く決断できる

そのため会議室に青系の配色は効果的といえるでしょう。

ほかにも、応接室ならリラックス効果があるといわれている緑系やオレンジ系もおすすめです。またブラウンなどの明度が低い色を使うと落ち着いた雰囲気を演出することができます。

年代別では、「若い世代は明度が高い色」「年配世代は明度の低い色」を好む傾向です。そのため、自社の顧客層に合わせて応接室のカラーコーディネイトを考えるのも一つの方法といえます。なお天井にブラウンやチョコレート色など明度の低い色を配すると圧迫感を与えるため注意しましょう。

オフィスは社員が業績の向上を目指して働き、来客を招くいわば大事な「ステージ」でもあります。良いオフィスデザインの事例を参考にして自社オフィスのステップアップを目指していきたいものです。(提供:ビルオーナーズアイ