サラリー・ゲイン(給与の増加)の低迷は、日本を含む多数の先進国で見られる現象だ。「勤勉な社員」というだけでは、なかなか給与アップを望めない近年、サラリー・ゲインを達成するテクニックを試してみる価値はあるはずだ。

先進国で低迷するサラリー・ゲイン

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(画像=Number1411/ shutterstock.com, ZUU online)

統計サイトStatistaのデータによると、2018年、サラリー・ゲイン(Salary Gain)の最も大きかったOECD加盟国は、ハンガリーやラトビア、ポーランド、チェコ、スロベニアなど発展途上国に集中しており、いずれも3.5~4.9%の増加を記録した。

一方、英国、イタリア、スペインは0.1~0.7%のマイナス成長、スイス、ベルギー、ギリシャ、日本、オーストラリア、デンマーク、フィンランドなど、先進国の増加率は軒並み1.0%未満だった。

高給与業界トップの投資アドバイザリーでさえ、収益は引き続き成長しているにもかかわらず、2017年以降、従業員の給与は横ばい状態であることが、米投資関連情報メディア、InvestmentNewsの調査から明らかになっている。

日本においては、利益を配当や賃金に回す代わりに、社内に蓄えておく「利益剰余金」が、年々増加傾向にある。財務省の法人企業統計によると、金融業・保険業を除くすべての産業で、2018年度には過去最大の463兆1308億円(前年比3.7%増)に達した。

これに対し、人件費の増加率は1.0%未満と、不均等さが目立つ。つまり、多数の企業に関しては、「まだまだ給与アップ交渉の余地はある」ということだ。

サラリー・ゲイン、5つのテクニック

何年も同じ給与で家計をやりくりしていると、自然と節約術が身につくというメリットはあるが、生活の質の向上や可能性の拡大という点では、どうしても制限がかかってしまう。

「給与アップを自分から切り出すのは気が引ける」という人も多いが、自分の市場価値に見合った額のお金を稼ぐことは、労働者の権利といっても過言ではないだろう。

しかし、給与の値上げ交渉は、重要ポイントをおさえて慎重に行わない限り、不成功に終わる可能性が高い。「急にお金が必要になった」「家計が苦しい」といった個人的な理由では、会社はなかなか応じてくれないだろう。

1 自分の市場価値を把握し、アピールする

給与が高い人と低い人の決定的な違いは、市場価値にある。人的資本の重要性を理解している企業は、市場価値の高い人材を確保・維持する手段として、高報酬や高条件を厭わない。

近年は、自分の市場価値をインターネットなどで簡単にリサーチできる。まずは、自分の市場価値を把握してみてはどうだろうか。自分の給与が相場よりも低いと感じるのであれば、具体的な「証拠」を提示し、昇給に値することをアピールする。