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個人でアパートを貸して得た収入は、不動産所得として扱います。不動産所得に対しては、所得税がかかります。この所得税の軽減のために、不動産運用会社を利用する方法があります。今回は、この方法について検討していきます。


資産管理会社とは

資産管理会社とは、賃貸の管理会社とは異なり不動産の保有と運用のために設立した会社のことをいいます。

では、なぜ、このような会社を設立するのでしょうか。それは、所得税の税率と法人税の税率の違いにあります。所得税の税率は現在、個人の住民税と合わせて最高で50%といわれています。さらに、2015年からは、課税所得4,000万円を超過すると、45%になります。これに、個人の住民税と合わせると最高で60%近くになります。つまり、所得税と住民税を支払うと、手元には40%ほどしか残らないということになります。そこで、税金対策として所得税の税率より、税率が25.5%と低い法人税を納める形にするために、資産管理会社を設立することになります。


個人経営の場合のデメリット

個人でアパートを貸して得た収入は、不動産所得として確定申告を行う必要があります。不動産所得は、総収入金額から必要経費を差し引くことで計算します。この必要経費の計算は、手間のかかるものであり、費用の項目や内容により経費として認められるものとそうでないものがあります。したがって、1年間を通してみないと所得金額がいくらになるかという見込みを立てるのが難しいです。そのため、キャッシュの流れも読みにくく資金計画が立てにくいのです。さらに、個人の場合は所得税の扱いにおいて、事業用の不動産の売却損が出た場合に、その売却損を他の給与所得と損益通算することができません。


法人化への変更条件

不動産の資産管理会社を設立する上で大事なのは、実質的にその会社が不動産の管理業務を行っていることがポイントになります。具体的には、建物の設備の保守、点検、整備、駐車場の管理や、アパートの場合、住民からの苦情処理です。

そして不動産管理会社で扱う不動産が、収益を生み出す物件でなければならないということです。これは個人経営でも同じですが、自宅を貸す場合、賃貸収入は限られます。ですからアパート1棟などの物件で、ある程度の収益が見込めることがポイントです。したがって、大型の物件になり、ある程度の借入金が、必要になります。よって、毎月の借入金を返済でき、また、空室になった場合、賃貸収入が見込めなくなるので、それをカバーするだけの安定収入が必要になります。したがって、毎月の収入が、安定して見込めるサラリーマンが適しているといえます。では、不動産の資産管理会社は、だれが運営するかということです。これは、自分だけではなく、妻や親族などにお願いする形にします。