(本記事は、佐伯益咲寿氏の著書『「バカ」になれる人ほど「人生」はうまくいく』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)

お金は「持っている」と決めた人のところに集まる

切符
(画像=SAWITRE INTAYAM/Shutterstock.com)

僕は人間、誰でもその人がやるべき役割は決まっていると思っています。

だってそうじゃないですか。自分という人間がこんな体を持ち、こんな脳を持って、こんな性格や声を持って生まれてくるなんて誰が選んだわけでもない。

自分という存在が「今」ここにこうしてあることは周囲にも自分にもどうすることもできないわけです。だとしたら、それには何か自分という人間の役割、役目があると考えたほうが自然じゃないですか。

誤解してはいけないのは、その役割は誰かに指示されたものではなく「自分で見つける」「自覚する」ものだということ。そうでなければ自分の人生を生きることにならないですから。

ビジネス、事業だってそうです。自分はこれをやるために生まれてきたんだなと思えるかどうか。天職という言葉は古いかもしれないけれど、そうとしか言いようがないものってあるんです。

自分はこれをやるために今を生きてるのだと思ってやっていると、不思議に次につながっていく。どんな壁も超えていけるし、結果的に以前より状況がよくなり自分も成長できるものなんです。

それなのに「今の僕はこんなはずじゃない」、「これは本当の自分じゃない」と「今」と向き合わずにやっていると何をやっていても中途半端になる。

僕は上京したての若い頃にホストをやったときも天職と思った。だから次の営業の仕事につながった。営業も天職としてやれることに打ち込んだ結果、今の事業にもつながってるわけです。

もし途中のどれか一つでも中途半端に「他にもっといい仕事ないのかな」という気持ちでやっていたら、僕は消えてしまってるかもしれません。次に行けなかったかもしれない。目の前のことを真剣に、天職だと思ってやることが大切なんです。

「今」を生きる人は次に行ける切符を持ってる、ということです。ハブ空港に降り立って、また乗り継ぎの飛行機が待ってくれている。

人生の8割は人知の及ばない何かで決まってきます。それはネガティブなものではなくすべて意味のあることです。残りの2割が振り幅。そう思って生きられたら、うまくいく。目の前に起こることは偶然じゃなく、必然だと僕は思っています。

失敗に遭遇したとしても、それも実は織り込まれてる。僕の人生を振り返っても苦しかった時期も、そのあとの人生のための途中経過に過ぎなかった。なのに、そこでいちいち落ち込んでいても仕方ない。

僕は独立して創業時、「10億持ってるよ」と紙に「10億」と書きました。これはスイス銀行に持ってる預入証書だと。すぐに10億円使うわけじゃないのだから、紙に書いた10億円だって同じことですから。

スイス銀行に預けて10年満期で一切使えない。その代わり11億になって返ってくる。10年間で1億ずつ稼げばいいだけです。

そうやって、すでに「お金は持っている」と決めてやってきたら、自然にそうなりました。そんなものなんです。

「バカ」になれる人ほど「人生」はうまくいく
佐伯益咲寿(さえき・まさとし)
カンシングループ会長兼CEO。1965年生まれ。香川県小豆島出身。高校卒業後、18歳で瀬戸内の汽船会社に就職。
29歳で住宅設備機器の販売会社を設立。売上70億円の会社にまで成長したが、42歳のときに倒産。17億円の負債を抱える。2009年、心機一転して株式会社カンシンを千葉県船橋市に設立。住宅の総合維持管理会社として、不動産業、ハウスメンテナンス業などを展開。誠心誠意、お客様に向き合い続け、2019年に創業10 周年を迎える。趣味は、食道楽、着道楽、旅道楽。座右の銘は、「我 事において 後悔せず」(宮本武蔵『独行道』より)。

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