(本記事は、佐伯益咲寿氏の著書『「バカ」になれる人ほど「人生」はうまくいく』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)
自分の力をもっと自由に出すには
40代以降のビジネスパーソンはさらに厳しい時代になっています。
一昔前なら、組織で役職について「立派な上司」になれていたものが、今はむしろ時代に合わず、若い人に比べて使い勝手も悪いとされてはじかれるようになっている。もっと言えばAIのほうがコストもかからず能力も上と判断されるケースも増えているかもしれません。
ある大手電機メーカーも5000人規模の人員再編で希望退職を募っていますが、対象は45歳以上の間接・支援部門。まさにAIの活用で代替可能とされている部門です。
大変な時代だなと思います。だけど、僕はそう思う反面、むしろこれからの時代のほうが楽しみだとも思う。
どうして?と思われるかもしれません。どんどん大変になっていくのに、何が楽しみなのか。そのいちばんの理由は、意味のない安定志向が取り払われて、人がもっと自由に自分の力を出せる時代にシフトしていくからです。
くり返しになるけれど、これからの時代にもっとも安定してるのは「自分」という存在です。有名企業の肩書だとか、組織の大きさじゃない。
「自分の力」こそが安定です。自分のことが信じられて、どんなときでも新しいことを生み出せる力があれば、それ以上の安定なんてないですよ。
どうしたら、そんな自分になれるのか。いちばんは仕事の中で「人間力」を高めることです。人間力もいろんな解釈や定義ができるけれど、僕が考えるのは「生きるたくましさ」と「周りへの優しさ」を持てること。
自分が正しいと思うことを実現するのはたくましさ、強さだって必要だし、周囲に応援されるには周りへの優しさ、共存の生き方ができなければ難しい。そういう意味での人間力を高められた人こそが、これからの時代に「安定」できるんです。
そのためには大きな組織より小さな組織に身を置いたほうがいい。大きな組織にいると、やはりシステムができ上がっていて、その中で自分の役割も固定されている。人とコミュニケーションを深めなくても、すでにある仕組みや仕事のやり方に乗っかってやれてしまうんです。
そうではなく小さな組織に身を置く、あるいは個人で(この話ものちほどします)フリーエージェントとして組織と関わってコミュニケーションしたほうが、先ほどお話ししたような人間力が養われます。
人間っておもしろいんです。どんなに自分に自信がないと思ってる人でも、コミュニケーションができるようになると自信も付いてきます。
だから僕の会社では、ことあるごとに人前で発表してもらう。自分の中でいくらいいことを考えていても、しゃべって外に出さなければ何も生まない。自分も成長できない。
しゃべってみたら、人に聞いてもらう、ちゃんと理解してもらうのは簡単じゃないことにも気づく。そこで工夫していくのが大事なんです。
そうやって「自分の力」を付けていった人は、これからの時代、どんなところでどんなことをやっても自分の人生を切り拓いていけます。
29歳で住宅設備機器の販売会社を設立。売上70億円の会社にまで成長したが、42歳のときに倒産。17億円の負債を抱える。2009年、心機一転して株式会社カンシンを千葉県船橋市に設立。住宅の総合維持管理会社として、不動産業、ハウスメンテナンス業などを展開。誠心誠意、お客様に向き合い続け、2019年に創業10 周年を迎える。趣味は、食道楽、着道楽、旅道楽。座右の銘は、「我 事において 後悔せず」(宮本武蔵『独行道』より)。
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