(本記事は、佐伯益咲寿氏の著書『「バカ」になれる人ほど「人生」はうまくいく』クロスメディア・パブリッシングの中から一部を抜粋・編集しています)
「営業=科学」。誰でもできる基本とは
相手をいかにうまく説得するか、相手にどうやって自分をよく見せるか。そんな類の「営業ノウハウ」は、一回はうまくいくことがあってもずっとは使えません。なぜなら「売り込むためにやってるな」と相手にわかるからです。
けれどもそんな「情報」がたくさんあふれてる。多くの人が自分の武器になると思って情報やノウハウを取りにいってますよね。僕は、それが本当に武器になりますか? といつも疑問に思うんです。
そんなノウハウより、自分が相手にちゃんと共感して共存していくことのほうがよほど大事じゃないですか。
今はもうモノも情報もたくさんあります。その中で大事なのはモノや情報ではなく「自分が相手の役に立てること」なんです。
自分の「お役立ち」をちゃんと見つける。相手のために、自分の周り、コミュニティのために自分が何ができるかを常に考えて、具体的に行動してる人であれば、ノウハウなんて持たなくても相手は信頼してくれます。
これはすごくシンプルな方程式なのに、案外、ちゃんと理解してやっている人が少ない。
自分を売ろうとするから相手が「買わされる」と思ってしまう。そうですよね。そうではなく、「相手のことをちゃんと知って、相手のために何ができるかを考える」。
それを真剣に情熱を持ってやってくれる人になら、たいていの人は心を開きます。少なくとも悪い感じはしません。
相手のことをちゃんと知るというのは、情報を取りにいくことじゃない。相手のそのままをちゃんと受け止めることです。
世の中の人は、みんな一律じゃない。情報では「これが今の流行り」となっていても、一人ひとり顔が違うように価値観もみんなそれぞれなんです。本当は。
細い眉が流行ってると言っても、中には太い眉の人に好感を持つ人もいます。太っている人はダメという風潮があっても、太っている人になんとも言えない温かみや安心感を感じる人だっているわけです。
自分だって相手だって、それぞれ違ってそれぞれに魅力を持ってます。そこをちゃんと知ること。
情報やノウハウばかり追いかけてる人は、逆にどんどん自分や相手の魅力が見えなくなってるかもしれません。
それでは、どんなに情報を取る努力をしても、自分の魅力も出せず、相手の魅力も知ることができないので、いわゆる営業の場面でもうまくいかない。自分をちゃんと売ることができないわけです。
僕は「営業=科学」と言っていますが、その真意はノウハウではなく「人を真ん中」に考えることから導き出される心理であり、真理だということなんです。
29歳で住宅設備機器の販売会社を設立。売上70億円の会社にまで成長したが、42歳のときに倒産。17億円の負債を抱える。2009年、心機一転して株式会社カンシンを千葉県船橋市に設立。住宅の総合維持管理会社として、不動産業、ハウスメンテナンス業などを展開。誠心誠意、お客様に向き合い続け、2019年に創業10 周年を迎える。趣味は、食道楽、着道楽、旅道楽。座右の銘は、「我 事において 後悔せず」(宮本武蔵『独行道』より)。
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