何気ない頼まれごとほど「チャンス」になる

では、どうすればお客様から役立つ営業マンだと思ってもらえるのでしょうか。

仕事柄、私はよくお客様から「クルマ買いたいんだけど、いいところ知らない?」「家を新築したいんだけど、どこに頼めばいいと思う?」といった相談を受けました。なかには「離婚したいんだけど、いい弁護士さん知らないかな」という相談もありました。

いずれも、お客様が「この人なら役に立つはずだ」と思ってくれたからでしょう。実際、私にはそうした期待に応えることができるだけの人脈や情報がありました。

「頼まれごとは試されごと」という言葉があります。他人から何かを頼まれるということは、自分が相手にとって役立つ人かどうかを試されている、ということでもあるのです。

そう考えると、お客様からの頼まれごとは営業マンにとってたいへん大きなチャンスといえます。そのとき、お客様の期待に応えることができれば、これ以上ないほど強固な信頼を獲得できるからです。私は、これまで頼まれごとには必ずお客様の期待を超える貢献をしようと努めてきました。

電車が遅れたとしても「遅刻」は厳禁

しかしながら、お客様は誰にでもそうしたチャンスを与えてくれるわけではありません。そもそも無理だと思う相手に、期待などしないでしょう。「この人なら」とお客様から見込まれて初めて、お客様は相談をもちかけるわけです。それは、いったいどういう営業マンなのでしょうか。

私は、以下に挙げる4つのことを誠実に守ることができる営業マンではないかと考えています。

第一は、「時間」です。

時間を守ることは、営業マンとして以前に、社会人として当然のことです。ですが、これまで約束の時間に一度も遅れたことがないと胸を張れる人は、どれだけいるでしょうか。

たとえば、電車の遅延でお客様との約束の時刻に10分遅れたとします。遅れることがわかった時点で連絡さえ入れていれば、ほとんどのお客様は「仕方がない」と大目に見てくれるでしょう。でも、内心、お客様は失望していると考えたほうがいい。1時間前に到着するよう行動していれば、遅れずにすんだからです。

私はどれだけ忙しくても約束の20 分前には必ず現地に到着するよう心がけています。