「今度食事でも」を必ず守れるか

第二は、「他人との約束」です。

「当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、完璧に守り続けてきた人はきわめて少ないと思います。

「こんど食事に行きましょう」

そんな社交辞令と受け取られかねない軽口も、やはり他人との約束と認識すべきだからです。そこまで潔癖である必要はないと考える人もいると思いますが、私は逆に小さな約束ほど重要だと考えます。相手が忘れてしまうような些細な約束ほど、それを実行したときの感激は大きいのです。

お客様と営業マンという関係にかぎらず、他人との信頼関係は約束と実行の積み重ねでしか醸成されません。それだけに、軽はずみな口約束も絶対にしないよう戒める必要があります。

相手の目つきが変わる「自分との約束」とは?

第三は、「自分との約束」です。

あまりピンとこないかもしれませんが、要は「自分で決めたことをやりきる」ということで、お客様はそういう営業マンを信頼します。その営業マンは自分を律することのできる人間に違いない、と評価するからです。

たとえば、私はこの仕事を始めてから20年以上、毎朝6時半には出社して仕事をしています。そう言うと、たいていのお客様の私を見る目つきが変わります。私が自分に対して厳しい人間なのだと合点して、勝手に高評価を与えてくれるわけです。

「他人との約束」と違って、自分で決めたことが守れなくても困る人はいません。ならばどうだっていいじゃないか、と思われるかもしれませんが、私はむしろ誰にも迷惑をかけないからこそ、意地でも守るべきことだと思っています。おそらく、「自分との約束」を守れない営業マンはお客様の信頼を獲得できないだけでなく、飛び抜けた成果も残すことができないはずです。