(本記事は、小林照子氏の著書『48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

あごをたたき上げて、ブルドッグ顔を防止する

ブルドッグ,顔
(画像=Sergey Mironov/Shutterstock.com)

「このあたりがブルドッグのようになってしまって……」

あごのあたりをさすりながら、ため息まじりに言われたのは、今年52歳になられた男性でした。

50歳を過ぎると、顔のたるみに悩む方がとても多くなるように思います。「まだ40代だから大丈夫」と思っているあなたにとっても、他人事ではありません。

年齢とともにどうしても、顔の肉は下へ下へと下がってきます。

「二重あご」という言葉がありますが、二重あごは何もあごの先端部分だけが厚くなってくるわけではありません。耳に近いところから、お肉がブルンとたるんでくるのです。

フェイスラインが下にたるんでこないようにするには、「あごたたき」をして、ブルドッグ顔を予防することです。

(1)あごを両手の平ではさみ、あご先から耳のほうに何回か引き上げてみましょう。

(2)そして両手首の力を抜いて、手の甲であご下をたたき上げてみましょう。上へ上へ、ピンピン音が出るくらいにたたいてください。右の手の甲で片方の耳下から反対側の耳下まで行ったあと、今度は左の手の甲で同様にたたいてください。

重力に引っ張られて下がってくるものを一生懸命引き上げて、“垂れ下がりのクセ”をつけないようにしましょう。

あごはどれだけケアしているかによって、たるみ方がまったく変わってきます。

不機嫌そうな顔を朗らかに変える

人間は加齢とともに皮膚がたるんでくるばかりでなく、筋肉も老化してどんどん硬くなってきます。そうすると口もとをちょっと動かしたくらいでは、笑顔に見えないことも多くなります。

ふだんから、笑顔をつくる筋肉を鍛えておくようにしましょう。

私が実践しているのは、いつでもどこでも「い」と発音する口をつくることです。

「い」と発音すると、口角がキュッと上がるでしょう?そのあとすぐに普通に口を閉じてください。

そしてまた「い」と発音して、口角をキュッ。これを2秒くらいずつ繰り返してみてください。

これは口角を上げる「口角挙筋」が衰えないようにするための筋トレ。名づけて「小林照子流『い』のマウストレーニング」です。

これは毎日何回しないといけないなどという決まりはありません。

通勤中のちょっとした時間や、ランチのときなどに行ってもかまいません。重要なのは「い」と発音する口の形ですから、声に出さなくてもいいのです。これならオフィスでパソコンを操作しながらでもできますよね。

「口角挙筋」を意識的に鍛えていると、滑舌もよくなってきます。口もとの筋肉がよく動くから、明るくて聞き取りやすい声が出るようになるのです。

口もとが動かないとボソボソ声の暗い印象を他人に与えてしまいがちです。

周囲に「朗らかな人」という印象を与えるためにもぜひ、このトレーニングを始めてみてください。

以前、とても堅い職業の方にこのトレーニングを指導させていただいたのですが、その方は「い」と発音する口の形をつくるだけでも「ああ、もう顔が疲れる」とおっしゃっていました。

お仕事上、あまりニコニコしてはダメ。でもその方は、ふだん自分があまりにも顔の筋肉を動かさないので、「もう使えなくなってしまうのでは……」と心配になって、私のもとに来られたのです。

ふだん使っていない筋肉は、そう簡単に動かなくて当たり前です。

まずは小鼻横から口角にかけてをクルクルと軽くほぐしてから、トレーニングを始めてもいいと思います。ゆっくりでかまいませんし、初めのうちは2〜3回行うくらいでいいのです。

毎日トレーニングしているうちに、スムーズに口角が上がる感覚がつかめるようになるでしょう。

口角の上がった明るい顔、そして明るい声は、人とのコミュニケーションも円滑にしてくれます。

人間の顔は口角が下がっているとどうしても“不満そうな顔”に見えてしまうので、人が近寄りがたくなってしまいがちです。

でも口角の上がった笑顔は“機嫌のいい顔”に見えますから、人も話しかけやすいのです。

このトレーニングをしてから、家族や親しい友人と会話をしてみてください。

もしかしたら、「ふだんと違う」あなたに、相手の方は戸惑うかもしれません。

それほど、いつものあなたは不機嫌な顔をしていた証です。

でも、機嫌のいい顔は、相手との距離を縮めてくれます。

きっといつもと違うコミュニケーションを楽しめるはずです。

「じつは、こんなことをしたいと思っているんだ」
「最近、こんな面白い体験をしたよ」

相手の話を聞くだけでなく、あなた自身も、ふだんならできないと思っているような話をすることもできるかもしれません。

それがまた、いいコミュニケーションになっていきます。

私はよく「いつも機嫌がよさそうですね」と言われるのですが、毎日機嫌がよさそうに見えたほうがたくさんの人とコミュニケーションがとれて楽しいかなと思っています。

・いくつになっても、機嫌が悪そうに見られないこと
・いくつになっても、偉そうに見られないこと

この二つは、本当に大切なことですよ。

48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術
小林照子(こばやし・てるこ)
1935年生まれ。美容研究家・メイクアップアーティスト。化粧品会社コーセーにおいて35年以上にわたり美容について研究。91年、コーセー取締役・総合美容研究所所長を退任後、56歳で会社を創業、美・ファイン研究所を設立。94年、59歳のときに、[フロムハンド]小林照子メイクアップアカデミー(現[フロムハンド]メイクアップアカデミー)を開校、学園長。2010年、75歳のときに、高校卒業資格とビューティの専門技術・知識の両方を取得できる新しい形の教育機関、青山ビューティ学院高等部を本格スタート(現在、東京校と京都校がある)。近年ではとくに「医療」と「美容」の関係に注目した活動を行っており、「医・美・心研究会」では代表世話人。現在はナース+ビューティケア(N+BC)の活動に取り組む。著書多数。

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