(本記事は、小林照子氏の著書『48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

スキンケアの基本は毛穴の汚れを取り去ること

洗顔
(画像=Africa Studio/Shutterstock.com)

年を重ねるごとに、男性が大事にしないといけないもの。

私は、それは「清潔感」だと思っています。脂ぎった肌や脂ぎった髪はそれだけでその人の印象を悪くするもの。

「この人、身だしなみに気をつかわない人なのかしら?」
「なんだか不潔」
「におってきそう……」

周囲の人は、そんなふうに思っているかもしれません。

清潔な印象をまわりに与えるためには、常に皮脂の除去に気をつかうことです。ここで少しだけ、人間の肌の仕組みについてお話しさせてくださいね。

一般的に私たちの肌は42日で生まれ変わると言われています。

肌の表面にあるのは「表皮」、その下にあるのは「真皮」です。表皮は四層に分かれています。

下から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」で、基底層でつくられた表皮細胞は下からどんどん肌表面に押し上げられ、約14日かけて「角質細胞」になります。そしてそのあと28日ほどかけて、垢としてはがれ落ちます。

つまり、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の周期はトータルで約42日(14日+28日)ということになります。

しかし年齢を重ねるにつれて、ターンオーバーはだんだん遅くなります。古い細胞が新しい細胞に入れ替わっていくことを「新陳代謝」と言いますが、一般的に新陳代謝は年齢とともに低下します。

古い角質がなかなかはがれないと、角質層は厚くなります。そして肌は透明感を失い、くすんでいきます。

また男性の場合、男性ホルモンの影響で非常に皮脂が多いので、毛穴からどんどん脂が出てきます。

毛穴を毎日ていねいにお掃除すれば、次にまた肌をうるおすために脂が出てくるという仕組みです。しかしこの毛穴のお掃除が不足していると、脂が角質を巻き込んで毛穴の中で固まってしまいます。

これを角栓というのですが、この角栓は毛穴をどんどん開いていきます。そのため、お手入れの行き届いていない肌は見た目がゴツゴツした印象になり、時には悪臭を放つまでになるのです。

まずは、毎日の、ていねいな洗顔を心がけましょう。

ただ、熱いお湯で洗うと、熱さのために肌がゆるんで毛穴が開きすぎ、シワができやすくなってしまいます。また皮脂を取りすぎてしまうこともあるので、肌の老化を早めることにもなります。かといって冷たい水で洗うと、毛穴が縮んで、毛穴の中の汚れが落ちにくくなりますし、洗顔ソープなどの泡立ちもよくありません。

一番いいのは、ぬるま湯で洗顔することです。そして肌に負担がかからないよう、“泡で洗う”意識を持つことです。洗顔ソープは手の中でよく泡立ててから使いましょう。

洗顔のポイントは次の4つです。

1 力を入れない

指に力を入れないこと。汚れを取り去るために、肌をこすることはないのです。こするのではなく、軽くなでるように“泡”で顔を洗ってください。 皮脂が出やすい鼻の頭周辺は、洗顔ブラシなどでクルクルと円を描くようにマッサージすると角栓が取れやすくなります。ただし一気に取り去ろうとゴシゴシこするようなことはしないでください。

2 首も一緒に洗う

顔だけでなく、首筋にも泡を伸ばしましょう。

3 洗顔は短時間で

あまり長時間は行わないこと。時間的には1〜2分ほどですますほうが、肌に負担がかかりません。

4 しっかりすすぐ

すすぎは十分に。肌に洗顔料が残っていると、肌荒れの原因になります。

蒸しタオルで毛穴も心も開放する

ここで毛穴に詰まった汚れを取る、スペシャルケアをご紹介しておきましょう。

名づけて、「ホットタオルの温ケア」。これは毎日する必要はありません。休日、家でゆっくりする時間があるときで結構です。

ホットタオルは、家にある普通のフェイスタオルで簡単につくれます。タオルを2本、用意してください。

水で濡らしてゆるく絞ります。そして耐熱皿にのせて、電子レンジに約1分かけてください。顔にのせると少し熱いかな、と感じるくらい(温度としては42度くらいがベスト)の“蒸しタオル”をつくるのです。

そして蒸しタオルを縦に二つ折りにして、そのタオルで顔を包み込んでみましょう。タオルの蒸気で毛穴が開き、汚れが浮き出てくると同時に、タオルの熱で血行が促され、肌の血色がよくなります。

そのあとタオルのきれいな部分を使って、顔の汚れを拭き取ります。そして、もう1本のタオルで同じことを繰り返して終了。

これだけでもだいぶ、毛穴汚れがクリアになります。「温ケア」のあとの自分の肌のすべすべ具合をぜひ、確かめてみてください。

ホットタオルをあてる前に、クリームか乳液を塗っておくと、よりよい効果が得られます。

48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術
小林照子(こばやし・てるこ)
1935年生まれ。美容研究家・メイクアップアーティスト。化粧品会社コーセーにおいて35年以上にわたり美容について研究。91年、コーセー取締役・総合美容研究所所長を退任後、56歳で会社を創業、美・ファイン研究所を設立。94年、59歳のときに、[フロムハンド]小林照子メイクアップアカデミー(現[フロムハンド]メイクアップアカデミー)を開校、学園長。2010年、75歳のときに、高校卒業資格とビューティの専門技術・知識の両方を取得できる新しい形の教育機関、青山ビューティ学院高等部を本格スタート(現在、東京校と京都校がある)。近年ではとくに「医療」と「美容」の関係に注目した活動を行っており、「医・美・心研究会」では代表世話人。現在はナース+ビューティケア(N+BC)の活動に取り組む。著書多数。

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