(本記事は、小林照子氏の著書『48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

自分の臭いで失敗しない

歯
(画像=New Africa/Shutterstock.com)

いまの年齢になって気になるのが、加齢臭ではないでしょうか。

最近は、臭いにとても敏感になっています。いまほど消臭剤が売れたことはなかったと思うほどです。

「加齢臭」は1999年に、「加齢により体臭も変化する」という概念から命名された言葉で、実際には、男性の場合は40歳代から、「加齢臭」の素となる物質が増加するのだそうです。

また、煙草を吸う人は、吸わない人に比べて臭いがきつくなるということもあるようです。

そのメカニズムは解明されていないそうですが、じつは、私のプロを養成するメイクアップスクールでは、喫煙者は受けつけないことにしています。

メイクアップアーティストは、女優やモデルなど、人様の顔にメイクしていくわけですが、その際、その方に顔をかなり近づけて作業をすることになります。

そのときに、煙草の臭いがしたらどうでしょうか。

男性にはわかりづらいかもしれませんが、触れられる女性にとっては、それだけで気分を害することもありますし、そのことで、仕事の現場が滞るようなことにもなりかねません。

「休憩時間に会社の喫煙室で吸ってくるくらい、いいじゃないですか」と言う方もいるかもしれませんが、いくら気をつけていても、服や髪の毛、なにより煙草を吸ったその指先に臭いは残ってしまうものです。

私の知り合いがエステに行ったときに、エステティシャンの指から煙草の臭いがして、「施術中、泣きたくなりました」と言っていましたが、私に言わせれば、プロがそんなことをしてはならないのです。

私はなにも、煙草をやめなさい、と言いたいのではありません。本当は言いたいところですが、それは、その人が決めることです。

でも、自分の臭いにも敏感になって、ここ一番で失敗しないようにしましょう。

わかりやすい例でいえば、プレゼンのときに、お酒の臭いを残していたら、うまくいくものもうまくいかないでしょう。

煙草の臭いもそれと同じかもしれません。

体臭に話を戻せば、大切なのは、相手に不快感を与えないことです。

ビジネスの場では、それがとても大切になります。

体臭に加えて、口臭にも気をつけましょう。虫歯や歯周病の治療はもちろん、予防にも気をつけたいものです。

歯のケアはプロに任せる

私は、歯はとても大事だと思っています。

仕事をする上で何よりも大事なのは、笑顔です。そして口角がキュッと上がった明るい笑顔の中で一番よく目立つのは、歯です。

前歯が煙草などで黄色く変色していたり、あるいは虫歯に見えるような黒い部分があったりすると、やはりイメージダウンですよね。

虫歯などは当然、デンタルクリニックできちんと治すべきですし、変色している歯はクリニックで「ホワイトニング」をしてもらったほうがいいと思います。

年齢とともに歯肉もやせてきて、歯と歯の間に隙間ができるようになります。すると食事のときに、そこに食べ物もはさまりやすくなってしまいます。

仕事の会食などのときは、食後に手鏡で自分の歯を確認することも大切なこと。食後のコーヒーを飲みながら仕事の話をしているときに相手の方々があなたの顔を見て、

「あ、この人、歯間に鶏肉がはさまっている」

などと思っても、誰もそんなことは教えてくれません。

仕事の相手に気をつかわせないためにも、歯の点検は意識的に行うようにしましょう。

歯間にモノがはさまっていると、口臭の原因にもなります。大人のエチケットとして、歯の見え方にも気をつかうようにしましょう。

48歳からの「いい男」の条件──第一印象を決める自分プロデュース術
小林照子(こばやし・てるこ)
1935年生まれ。美容研究家・メイクアップアーティスト。化粧品会社コーセーにおいて35年以上にわたり美容について研究。91年、コーセー取締役・総合美容研究所所長を退任後、56歳で会社を創業、美・ファイン研究所を設立。94年、59歳のときに、[フロムハンド]小林照子メイクアップアカデミー(現[フロムハンド]メイクアップアカデミー)を開校、学園長。2010年、75歳のときに、高校卒業資格とビューティの専門技術・知識の両方を取得できる新しい形の教育機関、青山ビューティ学院高等部を本格スタート(現在、東京校と京都校がある)。近年ではとくに「医療」と「美容」の関係に注目した活動を行っており、「医・美・心研究会」では代表世話人。現在はナース+ビューティケア(N+BC)の活動に取り組む。著書多数。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます