ファッションとテクノロジーを掛け合わせた造語である「ファッションテック」が、今注目を浴びています。ファッションはこれまではリアルで楽しむものだと言われていました。しかし、今、テクノロジーの発達により、ファッション業界も大きく変わりつつあります。ファッションテックの概要を紹介します。
市場規模が大きいファッション業界 テクノロジーも細分化
ファッションといえば、リアルで楽しむものである、そう思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、ここ数年で、ファッションテックと呼ばれる、ファッションとテクノロジーを掛け合わせたスタートアップが、続々と生まれています。
ファッションテックが注目されるのには、理由が2つあります。1つは、ファッションの市場規模が大きいということです。アパレル産業は9兆円の市場規模があるため、ニッチ向けのサービスであっても、ある程度ビジネスの規模が大きくなることが特徴です。ファッションそのものが細分化されるため、大きなプレイヤーというのは生まれづらく、そのため、小さなスタートアップが、しのぎを削っている状況であると言えるでしょう。
もう1つは、デジタル化に対する抵抗が減ってきているということです。日本においてもファッションのEC化率は12%を超え、徐々にオンラインだけで服を選ぶことに抵抗がない人が増えています。市場がテクノロジー化を受け入れる準備が整いつつあることも、ファッションテックにとっては追い風だと言えるでしょう。
ファッションテックは、どんな部分がテクノロジー化しているのか
では、具体的に、ファッションテックには、どのような企業があるのか紹介しましょう。ファッションテックは、「作る」部分と、「売る」部分に主に分けることができます。
「作る」部分のテクノロジー化
1つは、モノづくりの部分のテクノロジー化です。具体的な例を挙げると、ZOZOが開発した、「ゾゾスーツ」は、サイズに対する悩みを解決するファッションテックと言えるでしょう。現在ゾゾスーツ自体は撤退していますが、業界を大きくにぎわせたサービスでした。この分野では、3Dネット試着サービスを手掛ける、SAPEETという会社も注目されています。
また、D2C分野、つまり、消費者とブランドをダイレクトにつなぐことで、よりよいものを安く提供するという分野も伸びています。オーダースーツ、オーダーシャツを販売するFABRIC TOKYOなどが代表的なサービスです。
さらには、ウェアラブルも注目の分野でしょう。アップルウォッチの成功は言うまでもありませんが、リーバイスがグーグルと共同でウェアラブルジャケットを開発するなど、もはやウェアラブル端末はアクセサリーにとどまりません。この部分はまだ実験的なところも多いのですが、今後一気に伸びていく可能性もあります。
「売る」部分のテクノロジー化
売る部分のテクノロジーの面では、もともと、ZOZOTOWNやロコンドがECで先行していました。現在は、EC以外の分野もテクノロジー化が進んでいます。
1つは、ECの進化系ともいえる、ライブコマースです。ファッションが感性に訴えるものである以上、ライブコマースとファッションは相性のいいサービスと言えるでしょう。この分野では、Live Shopなどが注目を浴びています。
もう1つは、サブスクリプションサービスです。定額制の波はファッション分野にもきているのです。洋服を定額で使うことのできるメチャカリや、エアークローゼットなどのサービスが注目されています。
また、データを分析し、顧客体験を最大化する「KARTE」が、オンラインとオフラインをつなぐサービスとして注目を集めるなど、EC以外の店頭でもデータ活用、テクノロジー活用は進んできています。
これからの伸びが期待できるファッションテック
ファッションテックは細分化されている分、目立たないことが多いですが、アパレル市場の大きさとテクノロジーの発達により、これからますます盛り上がっていくことでしょう。その中で、世界的な企業も生まれてくるかもしれません。今後、注目したい分野です。(提供:JPRIME)
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