米国(アメリカ)株を購入する際は、アメリカ企業の時価総額や株価、売買代金、配当利回り、連続増配年数などは見ておきたい。米国株式相場が続伸している今、どの銘柄を買うべきか悩んでいる人のために、売買の参考になるこれら5つの基準のランキングを紹介。上位企業の特徴も解説していこう。

目次
1.米国株投資の3つの特徴
2.時価総額ランキングTOP10
3.株価ランキングTOP10
4.売買代金ランキングTOP10
5.配当利回りランキングTOP10
6.連続増配年数ランキングTOP10
7.投資に適した3つの証券会社を比較

1.米国株投資の3つの特徴

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(画像=photo.ua/Shutterstock.com)

株価が続伸しているアメリカでは株主還元意識が高い企業が多い。そういった背景から

1.年4回の配当を行う企業が多い
2.長期連続増配銘柄が多くある
3.NYダウの利回りは日経平均株価より高い傾向がある

といった3つが米国株の特徴として挙げられる。「米国株は長期的に持って、将来は配当暮らし……」といった内容の書籍やインターネットコラムが多く見られるのはこのためだ。

しかし闇雲に自分が知っている企業の株を買っても、利益を得ることは難しいだろう。次からは米国株を購入する上で、最低限知っておきたい企業をランキング形式で紹介する。

2.米国株の時価総額ランキングTOP10――時価総額トップはアップル

時価総額は、株価に発行済株式数を掛けて算出する企業の市場規模が一目でわかる指標だ。世界中で活躍する有名企業の市場規模とそのランキングはどうなっているのだろうか。

米国株 時価総額ランキング(現地時間:2019年12月18日終値)

順位 会社名 ティッカー 時価総額
単位:100万米ドル
(日本円換算額 ※)
1 アップル AAPL 1,242,959.00  
(135兆4,825億円)
2 マイクロソフト MSFT 1,177,659.00
(128兆3,648億円)
3 アルファベット
クラスC
GOOG 932,639.30
(101兆6,576億円)
3 アルファベット
クラスA
GOOGL 932,639.30
(101兆6,576億円)
5 アマゾン・ドットコム AMZN 884,517.10
(96兆4,123億円)
6 フェイスブック
クラスA
FB 577,478.70
(62兆9,451億円)
7 アリババ・グループ BABA 563,371.80
(61兆4,075億円)
8 バークシャー・ハサウェイ
クラスB
BRK.B 550,149.50
(59兆9,662億円)
9 ジェイピー・モルガン・チェース JPM 432,960.40
(47兆1,926億円)
10 ビザ クラスA V 398,893.70
(43兆4,794億円)

※時価総額を1米ドル=109円で日本円に換算した金額
※上記ランキング表は、マネックス証券「時価総額ランキング」を参考に作成した。

第1位 アップル  米国を代表する超優良企業

「アップル」はナスダック上場銘柄であり、ナスダック100、ダウ30種平均、そしてS&P500指数に採用されている米国を代表する超優良企業。

携帯端末、メディアデバイス、パソコン、携帯型デジタル音楽プレイヤー、ならびに関連するソフトウェアや周辺機器、ネットワーキングソリューションなどを提供している。米州事業、欧州事業、中国事業、アジア太平洋他の地域事業からなるグルーバル企業である。

「iPhone」、「iPad」、「iPod」、「Apple Watch」、「Apple TV」などのブランドを冠したサービスや製品、ならびに「iPhone OS」、「OS X」といったオペレーティングシステムを取り扱っている。

第2位 マイクロソフト  Windowsだけでなくクラウドサービスも展開

ナスダック100、ダウ30種平均、S&P500指数採用銘柄。さまざまなソフトウェア製品やサービス、デバイスの開発やライセンス供与、サポートを行っている。

取り扱う製品は多岐にわたり、WindowsのようなOS、クロスデバイスの生産性アプリケーション、サーバーアプリケーション、ビジネスソリューションアプリケーションなどから、PC、タブレット、ゲーム、その他のインテリジェントデバイス、クラウドベースの製品と統合されたデバイスの設計、製造、販売まで行っている。

第3位 アルファベット クラスC  Googleだけでなくテレビサービスも

ナスダックの上場している「アルファベット クラスC」は米グーグルの持株会社。ナスダック100とS&P500指数に採用されている。

グループの事業はGoogle事業とその他の事業で構成されている。Google事業では、Search、Ads、Google Cloud、YouTubeなどを含むインターネット製品とハードウェア製品を取り扱う。その他の事業では、Google Fiberを通じたインターネットならびにテレビサービスの提供や、Verilyを通じたライセンス供与、研究・開発サービスの提供などを行っている。

3.米国株の株価ランキングTOP10――日本でも有名なアマゾンは第4位

グーグルやアマゾン、アップルなど、米国企業の製品やサービスは日本国内でも日常的に目にする機会が多く、総じて株価も高い。こうした企業の株価はランキングのどのあたりに位置するのか。さっそく、米国株の株価ランキングを確認してみよう。

米国株 株価ランキング(現地時間:2019年12月18日終値)

順位 会社名 ティッカー 株価
単位:米ドル
(日本円換算額 ※)
1 シーボード SEB 4,185.00
(45万6,165円)
2 エヌ・ブイ・アール NVR 3,735.75
(40万7,196円)
3 ブッキング・ホールディングス BKNG 1,991.51
(21万7,074円)
4 アマゾン・ドットコム AMZN 1,784.03
(19万4,459円)
5 アルファベット
クラスC
GOOG 1,352.62
(14万7,435円)
6 アルファベット
クラスA
GOOGL 1,351.91
(14万7,358円)
7 オートゾーン AZO 1,228.05
(13万3,857円)
8 マーケル・ホールディング MKL 1,137.43
(12万3,979円)
9 チポトレ・メキシカン・グリル CMG 826.88
(9万129円)
10 アリゲニ― Y 793.11
(8万6,448円)

※株価を1米ドル=109円で日本円に換算した金額
※現地時間2019年12月18日終値で株価が高い銘柄を抽出して、上記ランキング表を作成した。

第1位 シーボード 世界中に製品を提供する食品加工会社

「シーボード」は小型株市場であるNYSE American上場銘柄であり、カンザス州に拠点を置く食品加工会社。

豚肉の解体処理と加工食品製造、および販売を主たる業務としており、海産物輸送も行う。同社では豚肉以外にも、日用品や生活必需品、海産物、砂糖、七面鳥など幅広い商品の販売も手掛けている。

米国内全域だけでなく、関連会社や提携業者を介して、世界中の26カ国に自社製品を提供している。

第2位 エヌ・ブイ・アール  分譲マンションの建設と販売を手掛ける

「エヌ・ブイ・アール」は本社がバージニア州にある建築業者であり、ニューヨーク証券取引所上場かつS&P500指数採用銘柄。

「Ryan Homes」をはじめとした4つのブランド展開による一戸建住宅やタウンハウス、分譲マンションの建設と販売が中心事業。住宅ローン専門の金融子会社を通じて、顧客向けに住宅ローンサービスも提供している。

第3位 ブッキング・ホールディングス  宿泊施設の予約サービスを提供

「ブッキング・ホールディングス」は新興企業向け市場のナスダックに上場しており、ナスダック100およびS&P500指数銘柄に採用されている。

オンラインで、ホテルやB&B、ホステル、アパートなどの宿泊施設の予約や関連サービスを提供する会社であり、旅行に関する予約を希望する消費者と世界中の旅行サービス提供業者を結び付ける事業を行っている。

オンライン予約事業で手掛けるブランドは、「Booking.com」や「priceline.com」、「KAYAK」などがある。

4.米国株の売買代金ランキングTOP10――取引が多い米国株、話題のNETFIXもランクイン

売買代金は、市場で売買が成立した金額を指す。個別銘柄の売買代金は、それぞれの取引で約定した「株価×株数」の合計額。株価の高さだけでなく、出来高の多さ、つまり個別銘柄の人気も売買代金のランキングに大きく影響する。

売買代金ランキング(現地時間 2019年12月19日終値)

順位 会社名 ティッカー 売買代金
単位:米ドル
(日本円換算 ※)
出来高
(株)
1 テスラ TSLA 7,290,529,789.98
(7,946億円)
17,798,825
2 アップル AAPL 6,882,940,961.30
(7,502億円)
22,602,985
3 ダナハー DHR 5,318,452,149.25
(5,797億円)
34,499,489
4 アマゾン・ドットコム AMZN 4,889,705,774.65
(5,329億円)
2,443,924
5 マイクロソフト MSFT 4,006,954,794.68
(4,367億円)
24,646,111
6 フェイスブック
クラスA
FB 3,446,430,728.46
(3,756億円)
16,328,289
7 ネットフリックス NFLX 3,246,313,789.46
(3,538億円)
9,686,294
8 マイクロン・テクノロジー MU 3,076,725,747.15
(3,353億円)
55,477,844
9 エヌビディア NVDA 2,653,180,796.27
(2,891億円)
10,932,871
10 アリババ・グループ BABA 2,558,970,748.21
(2,789億円)
11,466,445

※売買代金を1米ドル=109円で日本円に換算した金額
※マネックス証券の「米国株売買代金ランキング」のうち、個別銘柄だけを抽出して、上記ランキング表を作成した。

第1位 テスラ  自動車事業とエネルギー事業の2本柱

「テスラ」はナスダック100採用銘柄。カリフォルニア州に本社を置き、自動車事業とエネルギー生成・貯蔵事業の2事業を運営している。

自動車事業では、完全電気自動車の設計、開発、製造、販売を行う。エネルギー生成・貯蔵事業では、据置型エネルギー貯蔵製品や太陽エネルギーシステムの設計から販売まで、あるいは住宅や商業顧客への販売などを手掛けている。

第2位 アップル  時価総額NO.1企業は売買代金ランキングでも上位

「アップル」は米国を代表する超優良ハイテク銘柄。株価の高さや時価総額が米国株トップクラスであるだけでなく、活発な売買が行われている人気銘柄であるため売買代金もトップクラスである。

第3位 ダナハー  世界50カ国で展開する計測・医療危機メーカー

「ダナハー」はニューヨーク証券取引所上場企業。S&P500指数採用銘柄でもある。計測機器と医療機器を扱う米国のメーカーであり、世界50カ国以上で事業を展開している。

ダナハーの事業は、先端医療のための研究ツールを科学者に提供する生命科学セグメント、分析機器や試薬などを提供する診断セグメントの他、歯科セグメント、環境と応用ソリューションセグメントの4つのセグメントで構成されている。

5.米国株の配当利回りランキングTOP10――配当目的の銘柄選びには欠かせない

配当金も株価も企業によってさまざまであるため、配当金額だけで企業間の配当の良し悪しを判断することはできない。そこで、企業ごとの配当の価値を測る指標となるのが「1年間の1株あたりの配当金額÷株価×100」で算出される配当利回りだ。

配当金額が高いときや、株価が低いときには、配当利回りは高くなる。配当利回りランキングは、投資効率が高い銘柄を探し出すのに便利な指標だ。

配当利回りランキング(現地時間 2019年12月18日終値基準)

順位 会社名 ティッカー 配当
利回り
1 メーシーズ M 9.66%
2 オクシデンタル・ペトロリウム OXY 8.14%
3 センチュリーリンク CTL 8.08%
4 インベスコ IVZ 6.91%
5 エル・ブランズ LB 6.71%
5 ヘルメリッチ・アンド・ペイン HP 6.71%
7 ザ・ウィリアムズ WMB 6.66%
8 アルトリア・グループ MO 6.46%
9 フォード・モーター F 6.39%
10 ニールセン・ホールディングス NLSN 6.01%

※SBI証券米国株スクリーナーで「個別株」「ダウ平均、ナスダック100、S&P500指数採用銘柄対象」「予想配当利回り3.0%以上」を条件に抽出した銘柄をもとに、ランキング表を作成した。

第1位 メーシーズ  事業の柱はアメリカで有名な大手デパート

「メーシーズ」はニューヨーク証券取引所に上場する大手デパート。「Macy’s」「Bloomingdale’s」などのブランドで店舗運営やWEBサイト、モバイル・アプリケーションを運営している。

オンライン小売業界との競争激化により既存店舗の売り上げが大幅に落ち込み、株価も低迷している。2019年12月6日付の社長辞任が発表された直後には、社長交代を好感して株価が前日比の1.82%上昇した。

第2位 オクシデンタル・ペトロリウム  天然資源の探査が主要事業

ニューヨーク証券取引所上場、S&P500指数採用銘柄。本社をヒューストンに置き、米国、中東、ラテンアメリカを中心に事業を展開する、国際的な石油とガスの探査・生産会社である。

石油およびガスセグメント、化学薬品ならびにビニルの製造と販売を行う化学セグメント、石油や二酸化炭素、電力の購入、市場化、輸送や保管を行うミッドストリームおよびマーケティングセグメントの3セグメントで構成されている。

第3位 センチュリーリンク  toB、toC双方でサービス展開する総合通信会社

「センチュリーリンク」はニューヨーク証券取引所に上場する総合通信会社。S&P500指数に採用されている。

企業事業と消費者事業の2事業を運営しており、企業事業ではレガシーシステムやデータ統合製品ならびにサービスを企業、卸売業者、あるいは政府に提供。消費者事業では、住宅の顧客に対して、従来型の製品やサービスを戦略的に提供している。

6.米国株の連続増配年数ランキングTOP10――日本でも馴染みのあるP&Gや3Mも連続増配銘柄

米国には50年、60年もの間、増配を継続している企業が多数存在する。長期間にわたる連続増配は、企業が持続的に成長し、利益を出し続けている優良企業の証でもある。

米国の代表的な連続増配銘柄としては、P&Gや3M、ジョンソン&ジョンソン、コカ・コーラといった世界的に有名な企業が名を連ねている。

連続増配年数ランキング

順位 会社名 ティッカー 連続増配
年数
1 アメリカン・ステーツ・ウォーター AWR 65
2 ドーバー DOV 64
3 ノースウェスト・ナチュラル・ガス NWN 64
4 ジェニュイン・パーツ GPC 63
5 プロクター・アンド・ギャンブル PG 63
6 パーカー・ハネフィン PH 63
7 エマソン・エレクトリック EMR 62
8 スリーエム MMM 61
9 シンシナティ・ファイナンシャル CINF 59
10 ジョンソン・エンド・ジョンソン JNJ 57
10 コカ・コーラ KO 57
10 ロウズ・カンパニーズ LOW 57

※米国株増配銘柄の中から連続増配銘柄を抽出して、上記ランキング表を作成した。

第1位 アメリカン・ステーツ・ウォーター 〈AWR〉 水道事業の持ち株会社

「アメリカン・ステーツ・ウォーター」はニューヨーク証券取引所に上場する持株会社である。

給水ユーティリティ事業と配電ユーティリティ事業を主要事業ユニットとして保有している。事業の運営や契約業務などをそれぞれグループ企業が担っている。グループ会社のひとつはカリフォルニア州の公益事業会社であり、カリフォルニア州の10郡で水の購入、生産、配給に従事している。

第2位 ドーバー  消耗品からソフトウェアまで展開する多角的メーカー

「ドーバー」はニューヨーク証券取引所に上場するイリノイ州を拠点とする企業であり、S&P500指数採用銘柄。機器、コンポーネント、特殊システム、ソフトウェアなどの製造・販売から、デジタルソリューション、サポートまで幅広いサービスを提供する多角的メーカーの老舗。

主要事業であるエンジニアリングシステム事業は印刷・識別および産業用に展開しており、工業用エンドマーケットに重点を置いている。その他にも、小売燃料や化学などの流体事業や、冷凍システム、冷蔵ディスプレイケースなどを提供する冷凍・食品機器事業をもつ。

第3位 ノースウェスト・ナチュラル・ガス  天然ガスを取り扱う企業

「ノースウェスト・ナチュラル・ガス」は、オレゴン州とワシントン州南西部の顧客向けに天然ガスの供給と販売を行う企業グループの持株会社。

主力のガス配給事業には、オレゴン州のミストやギルランチなどの天然ガス地下貯蔵施設の管理業務も含まれている。それ以外の事業として、天然ガスパイプラインプロジェクトや天然ガス小売家電店の運営、その他の事業開発、投資も行っている。

7.米国株投資に適した3つの証券会社を比較 SBI、楽天、マネックス

5つの観点で米国株のランキングを見てきた。それでは実際に投資をする際には、どの証券会社がいいのだろうか?ネット証券の中で挙げるなら「SBI証券」、「楽天証券」、そして「マネックス証券」をチェックしてもらいたい。

取扱銘柄が多いのは?SBI、楽天、マネックスを比較

米国株の2019年12月20日現在の取扱銘柄数は、

SBI証券が2,293件
楽天証券が2,671件
マネックス証券が3,290件

いずれも、アップル、マイクロソフト、フェイスブックといった誰もが知る米国を代表する優良企業だけでなく、ユーザーから新規取扱銘柄の要望受付を行っており、将来有望な新興株やIPO銘柄も取り扱っている。

SBI、楽天、マネックス、米国株取引にかかるコストは?

米国株取引にネット証券3社を利用するもう1つのメリットは低コストで取引できることだ。

米国株には為替コストも上乗せされるため、利益が出にくいと思われがちだが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の米国株取引は意外にも低コストだ。2019年12月現在の3社の米国株取引手数料は約定代金の0.45%(税抜)、最低手数料は0米ドル、最高手数料は20米ドル(税抜)に設定されている。

為替スプレッドは0.25円を維持しており、こちらも業界最安水準の低コストだ。

インターネットだけで米国株に関する投資情報の収集から発注までが完了し、その上低コスト。米国株投資を始めるのであれば、SBI、楽天、マネックスのネット証券3社を利用するのがスマートな選択だと言えるだろう。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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