伝説のF1エンジニアが引退した理由とは?

では、クソ仕事を撲滅できたとして、効率化できた時間でどのような仕事をすべきだろうか。

「仕事と遊びの境界戦が曖昧になる中、今後は自分にとって意味のある仕事、ワクワクする仕事に集中すべきだと思います。

逆の例で恐縮ですが、こんな話があります。1980年代末、F1マシンのエンジニアであるゴードン・マーレイが、史上最高と呼び名が高い『MP4/4』を設計しました。異次元に速いマシンを生み出し、ワールドチャンピオンになりましたが、レギュレーションによって使用禁止に。それ以降、協会が規定したルール内でタイムを縮めるよう規制がかかり、これを契機にマーレイは引退しました。最後にこんな言葉を残しています。

『今のF1にはまったく興味がない。風洞実験を2000時間やってラップタイムが1秒縮まったとか、そんなクソ仕事やるくらいなら家でロックを聴いてる方がいい』──。

今はこうした『クソ改善仕事』が横行しています。マーレイはこれに辟易したのでしょう。彼にとって、身の毛もよだつようなすごいアイデアを生み出し、実現することこそが、意味のある仕事だったのだと思います。

そうした仕事に集中することが、今後のキャリアを切り開くヒントになります。今の仕事が、果たして人生をかけるべきものなのか、再考したほうがいいかもしれません」