積立投資
(画像=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

目次

  1. コストにこだわる
  2. 相場を読もうとしない
  3. 途中で積み立てをやめない
  4. つみたてNISAやiDeCoを活用する
  5. どうしてもお金が必要なときは解約をためらわない
  6. まとめ

投資信託のつみたて投資は、投資初心者の方でも取り組みやすい資産形成の方法のひとつです。証券口座を開設して購入する商品を選び、積立の設定をすれば定期的に自動で買い付けてくれるので、時間や手間を掛けることなく投資に取り組めます。

国もつみたてNISAやiDeCoといった制度を創設し、投資信託のつみたて投資による個人の資産形成を推奨し、支援しています。

しかし、つみたて投資を始めるのは比較的簡単ですが、続けるのは意外と難しく、途中でやめてしまう人も少なくないようです。そこで今回は、つみたて投資で失敗しないために心掛けたいことをご紹介します。

コストにこだわる

投資信託のつみたて投資では、コストにこだわることが大切です。株価をコントロールすることはできませんが、コストは商品選びを工夫すればコントロールできるからです。つみたて投資で購入する投資信託を選ぶときは、以下のコストに注目しましょう。

・購入時手数料
・信託財産留保額
・信託報酬

投資信託は、銘柄によっては購入時手数料がかかります。購入時手数料がかかる銘柄は、積み立てるたびに手数料を払うことになりますが、ノーロード(購入時手数料0円)の投資信託を選べば手数料を払わずに済みます

信託財産留保額とは、保有中の投資信託を解約するときにかかる手数料です。信託財産留保額が無料の銘柄を選ぶことで、解約時のコストを節約できます

信託報酬とは、投資信託の運用にかかるコストで、投資信託の保有中は継続して運用資産から差し引かれます。市場平均以上のリターンを目指すアクティブファンドの場合、銘柄によっては信託報酬が年率1%~3%程度かかることもあります。

それに対して、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など、特定の指数に連動する投資成果を目指して運用されるインデックスファンドなら、銘柄によっては年率0.1%台に抑えることが可能です

金融庁が創設したつみたてNISAでは、対象商品を「販売手数料0円(ノーロード)」「信託報酬が低い」などの条件を満たす商品に限定していることからも、低コストの商品を選ぶことが重要であることがわかります。*1

特に信託報酬は、投資信託の保有中は継続して運用資産から差し引かれるので、保有期間が長くなるほど総支払金額が増え、運用成績に影響を与えます。利益が出ると思われる投資信託を探すことも大切ですが、コストにこだわることも利益の獲得につながります

相場を読もうとしない

つみたて投資で失敗しないためには、相場を読もうとしないことも大切です。投資では金融商品を安く買い、高く売ることで売却益を得られます。しかし、実際には相場を正確に予測することは困難で、安く買って高く売るのは簡単なことではありません。

価格が下がったと判断して、まとまった金額で一度に金融商品を購入すると、さらに価格が下がって大きな損失を抱えてしまうリスクがあります。

しかし、つみたて投資であれば、定期的に一定額を購入する「ドルコスト平均法」によって購入タイミングの分散が可能です。価格が高いときは少なく、低いときは多く購入できるため、結果的に購入単価を平準化できます。

無理に相場を読もうとせず、コツコツ積み立てを続けるほうが、高値つかみを回避しやすくなります

途中で積み立てをやめない

金融庁の資料によると、資産や地域を分散したつみたて投資を長期間続けることで、元本割れする可能性が低くなる傾向にあるようです。*1

つみたて投資は、自動積立の設定をすれば証券会社が自動で購入してくれるので、時間や手間をかけずに投資に取り組めます。一方で、自分でやることはあまりないため、投資への興味・関心が高まるほど「つまらない」と感じるかもしれません。

また、つみたて投資は、長期投資で資産形成を目指す手法であるため、投資を始めてすぐに資産が大きく増える可能性は低いでしょう。つみたて投資で結果を出すには、「つまらなさ」や「すぐに結果が出ないこと」を受け入れ、途中で積み立てをやめないことが大切です。

つみたてNISAやiDeCoを活用する

投資信託のつみたて投資では、つみたてNISAやiDeCoを活用することで、より効率的に資産を増やせる可能性があります

つみたてNISAは、投資信託の運用益が非課税になる制度です。通常は運用益に対して約20%課税されますが、つみたてNISAで購入すれば課税されません。非課税投資枠は年間40万円で、最大20年間非課税で運用できます。

つみたてNISAの対象商品は、長期のつみたて投資に適した商品となるように「販売手数料0円(ノーロード)」「信託報酬が低い」などの条件が設定されています。*1

iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金のことです。掛金を拠出して投資信託などの金融商品で運用することで、将来一時金・年金として受け取ることができます。つみたてNISAと同じく、iDeCoも運用期間中に発生した、運用益には課税されません。

さらに、iDeCoの掛金は全額所得控除になるので、所得税・住民税の節税が可能です。iDeCoの掛金拠出限度額は、加入者の状況によって異なります。

たとえば、自営業者は月額6.8万円(年額81.6万円)、会社員は月額1.2万円~2.3万円(年額14.4万円~27.6万円)で、専業主婦や公務員も加入できます。*2

投資信託のつみたて投資に取り組むなら、つみたてNISAとiDeCoの利用を検討しましょう。ただし、つみたてNISAはいつでも解約できますが、iDeCoは原則60歳まで掛金を引き出すことができないので注意が必要です

どうしてもお金が必要なときは解約をためらわない

先ほど紹介したように、投資信託のつみたて投資は、長期間続けることで元本割れの可能性が低くなる傾向にあります。資産を増やすためにも、なるべく長くつみたて投資を続けるのが理想です。

しかし、どうしてもお金が必要なときは、解約をためらわないことも大切です。マイホーム購入や子どもの教育費、家族の病気・介護など、人生にはまとまったお金が必要になるときがあります。

手元にあるお金でまかなえないときは、積み立てた投資信託を取り崩しても問題ありません。解約したくないからといってお金を借りると、利息の支払いでかえって損をする可能性があります

また、「どうしてもお金が必要なときは解約する」と決めておけば、解約するタイミングに悩むこともありません。つみたて投資は長く続けられるのが理想ですが、どうしてもお金が必要なときは、無理をしないで解約を検討しましょう。

まとめ

投資信託のつみたて投資は、積み立てる商品さえ決まれば、始めるのはそれほど難しくありません。しかし、長く続けるのは意外と難しいものです。つみたて投資は短期間で大きな利益を得られる投資手法ではないので、長く続けられるような工夫が必要です

また、コストや税金にも気を配ることで、より効率的に資産を増やすことができます。つみたて投資で失敗しないためにも、今回紹介した5つのポイントを意識して投資に取り組みましょう。

*1  出所)金融庁 「つみたてNISA早わかりガイドブック」

*2  出所)iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」

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  2. ・当ページは当社が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、最新の投資信託説明書(交付目論見書)および目論見書補完書面の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

  3. 三菱UFJ国際投信株式会社
    金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第404号/一般社団法人投資信託協会会員/一般社団法人日本投資顧問業協会会員

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