日本に古くからある考え方を広義の「武士道」と捉え、これを海外に広く発信する「武士道の輸出」が今後の消費行動やビジネスで注目されそうです。アニメーションや漫画、今後、日本食などの文化的コンテンツや、インバウンド旅行者が持ち帰る日本のおもてなしなどの体験も世界に波及していくでしょう。日本特有の歴史や文化が世界に浸透する、そんな時代を見据えておく必要があります。

日本には「長寿企業」が数万社? 世界最古の企業や世界最古のホテルも

輸出
(画像=Nishihama/Shutterstock.com)

日本には、「世界最古の企業」を謳う会社があることをご存じでしょうか。寺社の建築などを手掛ける金剛組(大阪市天王寺区)です。同社によると創業は578年、聖徳太子による四天王寺の建立がきっかけだったそうです。またギネス・ワールド・レコーズによると、「世界最古のホテル」は慶雲館(山梨県早川町)という旅館で、オープンは705(慶雲2)年とのことです。

フランス・パリに本部を置く「エノキアン協会」は、200年以上の歴史を持つ企業のみが加盟できる団体です。参加資格は存続期間のほか、創業者の子孫が引き続き経営に携わっていることや、財政的に健全であることなどがあります。1981年に設立されたエノキアン協会の加盟企業は、現在49社。フランス企業が15社、イタリア企業が12社、日本企業が9社、ドイツ企業が4社、スイス企業が3社と続きます。国別では、日本は3番目に加盟企業数が多いです。

このように日本には歴史ある「長寿企業」が数多くあり、その数は数万社に上るとも言われています。日本に長寿企業が多いのは、長い年月をかけて商業上の哲学や倫理観などが醸成されてきたからでしょう。たとえば近江商人のいう「三方よし」は、売り手・買い手だけでなく社会に貢献してはじめて良い商売と言える、という考え方です。

世界の言葉「MOTTAINAI」

最近世界に広まった日本語に、「もったいない」があります。ケニア出身のノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが来日した際に知って感銘を受け、環境に負担をかけず持続可能な社会の構築を目指す中で「MOTTAINAI」として世界に広めました。これもまた、「武士道」の輸出と言えるのではないでしょうか。

外国からのリピーターが楽しむのは「日本酒」や「温泉」

観光庁が分析した2017年の訪日外国人の消費動向によると、日本を訪れた外国人観光客の6割以上が訪日回数が2回以上の「リピーター」でした。観光やレジャーが目的の外国人旅行者のリピーターのうち、韓国・台湾・香港・中国に住む人の割合は86%で、彼らは訪日回数が増えると消費が増えたり、地方を訪問したりすることが多くなるそうです。

また、訪日回数が増えるほど「日本の酒を飲むこと」や「温泉入浴」といった行動が増えるといいます。日本の持つ食や観光資源が、外国人観光客を魅了している好例と言えるでしょう。

2020年には東京五輪・パラリンピックが開催されるため、訪日客はさらに増えるかもしれません。2013年の五輪招致のプレゼンテーションで滝川クリステルさんが使い、その年の流行語にもなった「おもてなし」を通じて、日本の良さがさらに広まることを期待したいところです。(提供:JPRIME


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