「大阪人との会話ではオチ必須」は本当なのか
大阪生まれ、大阪育ちの筆者は、法人向けのコミュニケーション研修の講師として全国各地で登壇しています。
そういった研修の中で、受講生の方によく質問されるのが、
「大阪人とのやり取りは、やっぱりウケを狙わなければならないんですか?」
「大阪の人に話す時って、話にオチをつけないといけないんですか?」
といった内容です。
確かに、日常会話などではその傾向はあるかもしれません。ただビジネスシーンにおいては、ウケもオチも必要ありません。
どうしても、地域性が強く目立ってしまう大阪人ですが、実は上手なコミュニケーションを取るには、それよりももっと大切なことがあるのです。
関東人が直面した「大阪の洗礼」
大阪外の地域の方から「大阪は外国!」と言われることが珍しくないことからも、大阪では独特の文化やコミュニケーションが必要だと感じる人が少なくないことがわかります。
大阪独特の文化は、例えばエスカレーターでは左を空ける、コテコテのヒョウ柄を着た大阪のおばちゃんが“アメちゃん”を配る、ワンカップ片手にストリート宴会を催すおっちゃん達などがあります。どぎついとも言えるほどの強烈なキャラクターを持った人々が目立つ地域で、「ビジネスがしっかりできるのだろうか」と心配になる気持ちもわからなくはありません。
東京から大阪に出張で来たビジネスパーソンに実際に起こった「大阪の洗礼」をご紹介しましょう。
Aさん(30代 男性)が大阪のあるクライアント先へ、上司と同行して商談に臨んだ時のことです。面談の途中で、突然、クライアントの大阪人の男性から「あんた、なんで黙ってるねん!!やる気あんのか!?しゃべれへんのやったら帰れ!」と叱責されたのです。
Aさんとしては、上司がメインで話していたため、自分は聴く役に徹することが大事だと思っていたのです。ただ、その気持ちは、大阪人のクライアントには伝わらなかったのです。