人口減少時代の日本に降りかかる問題点

職場,河合雅司
(画像=THE21オンライン)

著書のベストセラー『未来の年表』『未来の年表2』で、統計データをもとにこれからの日本に起こる様々なことを予測し、読者に衝撃を与えた河合雅司氏。激変するであろうこれからの数十年で、我々の働く職場はどのように変わるのか。変化にうまく適応するにはどうすればよいかをうかがった。

交通機関の路線縮小で、会議に遅刻が頻発する?

これから少子高齢化、人口減少が進むことはわかっていても、その実態を正しく把握している人は多くありません。しかし、これから訪れる変化は私たちの働き方や職場のあり方を大きく変えることになります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今後20年近く高齢者は増え続け、2042年にその数はピークを迎えます。これを境に、若い世代だけでなく高齢者の数も減り始めて、社会全体が縮み始めます。そうなれば、私たちが今見ている社会そのものが激変します。

例えば、鉄道やバスの路線廃止は、人口減少によって間違いなく起こるであろう変化の一つです。しかも、過疎が進んだ地方だけでなく、東京や大阪などの大都市圏でも路線が減らされることが予想されます。

すでに東京都の西部を走るJR青梅線や五日市線が運行本数を減らしたり、神奈川県を走るJR横浜線で相模線からの直通列車の一部が廃止されたりしています。今後さらに公共交通機関の利用者が減れば、運行本数も減り、通勤や仕事中の移動にも影響を与える可能性は大いにあるでしょう。

「今までは余裕で間に合っていた会議に遅刻してしまった」といったことが頻繁に発生し、スケジュールの見直しを余儀なくされるビジネスパーソンは多くなるはずです。