「見える!」と意識すれば見る力は高まる

この危機から脱する方法は、視力を回復させることです。「視力は一度落ちると戻らない」と思っている人が多いのですが、それは間違いです。私のメソッドに基づくトレーニングを通して、0.1以下だった視力を1.0にした人もいますし、緑内障などの病気の進行を阻止・改善できている人もいます。そのトレーニングのうち、一人で行なうことができ、近視老眼に効くものを紹介しましょう。

1.焦点調節トレーニング

本を持って椅子に座り、手元の本の文字と、3m以上遠くにある壁の掲示物の文字とを交互に見る。それぞれの字に、すぐピントが合うようにする。「10秒間で10往復以上」を目標に練習してみよう。

2.焦点維持力トレーニング

本や雑誌を開いて、文字を確認してから、3秒間目を閉じる。その後、目を開いて同じ文字を見ると、すぐにはピントが合わないはず。それを「合わせる!」と念じながら、少しでも早く合うようトライ。ピントが合ったら、また3秒間目を閉じる→見る→合わせる、を何度でも繰り返そう。 遠くの文字でも同様にトレーニングを。通勤電車内の吊り広告や、職場の壁の掲示物など、3メートル以上離れたところにある文字を見て、焦点を素早く合わせる練習をしよう。

視力が低い人は、メガネやコンタクトをつけたまま行なってOKです。トレーニング時に大事なことは、「見る!」「見える!」と強く意識することです。眼筋は脳の命令に従って動く随意筋ですから、見ようと思えば力が加わり、見る力が高まるのです。

視力低下を自覚し、対策を講じて改善するプロセスは、仕事における問題解決と同じ。自力で改善できた経験は、自信につながるでしょう。回復させた視力と、アップした脳機能を、日々の仕事に大いに活かしてください。

『THE21』2019年12月号より

中川和宏(なかがわ・かずひろ)
ビジョングループ会長
1966 年、兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。〔株〕1953年、広島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。81年にビジョンサロンを設立、視力回復・能力開発メソッド「中川式ビジョンセラピー」を確立し、これまでに3万人以上もの相談者を視力回復に導いた。97年には、ブルーベリーの視力回復効果を国内に紹介。近著『40歳を過ぎても、目はよくなる』(PHP文庫)他、著書多数。(『THE21オンライン』2019年12月18日 公開)

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