商品写真&値づけのちょっとしたコツとは?
では、出品する商品はどう用意するのか。商品を仕入れたのに売れなかったら、在庫になってしまう。ネット販売においてリスクとなるのは仕入れだ。そこで泉澤氏は、まずはリスクがない方法から始めることを勧める。
「最初は家にある不用品を出品するのがいいでしょう。これなら仕入れのリスクはゼロです。
例えば、もう使わなくなった子供のおもちゃや参考書、バットやグローブ、テニスラケットなども売れます。
服も売れやすい商品です。高いブランド物でなくても構いません。実際、メルカリで最も多く売買されているブランドはユニクロなんです」
出品した商品を売れやすくするためには、ポイントがいくつかある。その一つが、商品写真だ。
「コツはありますが、難しいことではありません。
例えば服なら、柄がわかりやすいように、背景が白い場所で撮る。といっても、白い壁紙の場所で、ハンガーにかけて撮ればいいだけです。
大きな服なら、床に置いて腕の部分を内側に曲げ、全体を写しましょう。
タグなどの細部の写真や、汚れや傷みなどがある場合は、その状態がわかる写真も撮って、掲載できる枚数の上限まで使うといいでしょう。
商品の説明文も、上手な出品者のものを参考にして書けば、それほど難しくないと思います」
値づけも大切なポイントだ。できるだけ高く売りたいところだが、高すぎれば買ってもらえない。
「自分が売りたい商品がいくらで売れるかを判断するには、同じような商品が、過去にいくらで売れたかを調べることです。
メルカリなら、『販売状況』で『売り切れ』を選んで検索するだけで、どんな商品がいくらで売れたかが一覧できるので、相場がわかります。
例えば、自分が売りたい商品の相場が2,000円だとわかったら、少し安くして1,900円にしたりすると、売れやすくなります。
ただし、よく出回る商品だと値段が下がってきますから、1,700円、1,600円と下げないと売れなくなっていきます。不用品を売りながら、こうした感覚もつかめてくると思います。
ヤフオク!の場合は、キーワードを入力して検索し、『落札相場』にチェックを入れると、相場がわかります」
「売り切れ」の商品をチェックしておこう
いよいよ仕入れをしてネット販売するとなると、どこから仕入れるのかが問題だ。ネットで仕入れることもできるが、泉澤氏がお勧めするのは、現物を見ることができ、思わぬ掘り出し物に出合える可能性が高い、フリーマーケットやリサイクルショップだ。
「扱う商品は、人によって、合う、合わないがあります。私の場合は服やブランド品が合っていますが、カメラが好きな人ならカメラ、アンティークが好きな人ならアンティークといったように、まずは好きな物を仕入れるのがいいでしょう。やっていて楽しいので、やる気が出てきますし、好きだからこそ気がつく掘り出し物も見つけることができます。レンズが曇っているからと安く売られているカメラが、カメラ好きから見ると、性能に問題がないとわかったりするわけです。
もちろんここでも、メルカリで『売り切れ』になっている商品やヤフオク!で落札された商品を検索して、どんなものがいくらで売れるかを把握しておくことが大切です。
例えば、レディースのバッグを扱うとしましょう。あまり高価なものはリスクが高いので、1万~2万円で売れるものを探すとします。
その場合は、メルカリを使うなら、レディースのバッグの中で、価格が1万~2万円で『売り切れ』になっているものを検索します。そこでヒットした商品をチェックしておいて、フリーマーケットやリサイクルショップで同じものがもっと安く売られているのを見つけたら、仕入れる。そしてメルカリに出品することで、利益が期待できます。
ただし、フリーマーケットなどで買うと、商品が汚れていることもあるので、クリーニングをしてから出品するようにしてください。それだけで価格を高くすることができます」
副業としてネット販売をするなら、月の目標金額を決め、徐々にその金額を上げていくのがコツだと泉澤氏。
「目標金額はいくらでも構いません。本業に支障をきたさない程度の金額にしてください。初めから高めに設定すると、在庫の山を抱えてしまうことにもなりかねません。慣れるにつれて、徐々に金額を上げていくといいでしょう。
私は、会社員をしながら副業でネット販売をしていたとき、土日にフリーマーケットやリサイクルショップなどで商品を仕入れて、月に20万~30万円くらいの利益が得られるようになりました。これは私が特別なわけではなく、副業でこのぐらい稼ぐ人は、周りに結構いますよ」
●法律や会社の就業規則に注意!
自分の不用品をネット販売することは、副業ではないと判断されるのが一般的だ。ただし、仕入れて売れば副業と判断される可能性が高いので、勤めている会社の就業規則に違反しないか確認しよう。
また、古物営業法にも注意が必要だ。
「中古品の売買で継続的に利益を得ようとする場合は、古物商の許可が必要です。許可証は、警察に申請するだけで簡単に交付されます。ただし、賃貸住宅の場合は大家の許可が必要です。大家に許可をもらう際には、店舗を開くわけではなく、ネット販売だけなので、不特定多数の人が出入りするようなことはない、といったことをきちんと説明するといいでしょう」(泉澤氏)
《取材・構成:桃山 透 写真撮影:まるやゆういち》
《『THE21』2019年12月号より》
泉澤義明(いずみさわ・よしあき)
リサイクルアドバイザー
1970年、千葉県生まれ。ネット古物商・ブランドリサイクルショップ「ブルーム」店主。ネット販売講師。広告代理店、テレビ制作会社勤務を経たのち独立。会社勤めをしているときにネットオークションに興味を持ち、副業として出品を始める。著書に『お金が貯まる「スマホ副業」の稼ぎ方入門』『メルカリの達人!』(ともに、ぱる出版)などがある。(『THE21オンライン』2019年12月20日 公開)
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