トップ営業マンに聞く「会食が苦手な人にこそ勧める理由」

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(画像=THE21オンライン)

今年8月に渋野日向子選手が全英女子オープンを制したニュースで日本中の注目を集めたゴルフは、仕事にも人間力を高めることにも役立つ奥深いスポーツだと言われている。ゴルフを活かすことで、全国約2,000人中1位の「伝説の営業マン」となったプルデンシャル生命保険のエグゼクティブ・ライフプランナー、川田修氏に話を聞いた。

仕事の話をしなくても相手の信頼を得られる

ゴルフの特長は、たった1日でも一緒にプレーをすれば、相手の信頼を得ることができることだと、川田氏は話す。

「お客様と一緒にゴルフをプレーすると、1日中、時間をともにすることになります。ということは、それだけ距離を縮めるチャンスがあるということです。

普段、スーツを着て打ち合わせをしているときと違い、プライベートな話、例えば、お互いの家族の話や、時には個人的な悩みの相談をすることも少なくありません。仕事上の関係以上の、人としての関係を深めることができるのが、ゴルフの醍醐味の一つと言えるでしょう。

私自身、ゴルフ場ではできるだけ仕事の話をしないように心がけています。その代わり、出身地など、プライベートな会話をすることで、相手との距離を縮めています」

会食と違って会話に困ることがない

1日中、ずっと時間をともにするのは気が重いと感じる未経験者も少なくないだろうが、川田氏は、人見知りにこそゴルフを勧める。

「お客様との距離を近づけるために、会食をする方は多いと思います。しかし、長い時間、人と接し続けるのが苦手な方にとって、会食は逃げ場がありません。会話が続かないからといって、何度もトイレに立つのは失礼になってしまいます。

一方、ゴルフは、2時間程度で終わる会食に比べると、確かに時間が長い。午前8時前に集合し、2時間程度プレーしてから昼食を摂って、さらに、午後のプレーが終われば、お風呂に入って汗を流し、お茶をする。全体で7~8時間くらいかかります。しかし、会食と違い、相手との距離感を自分で調節できます。コースを回りながらじっくりと話し込んでもいいですし、黙ってプレーに集中してもいい。

また、会話に困ることもありません。『今のティーショット、すごかったですね』『ちょっと当たりが薄かったなあ……』といったように、一つひとつのプレーが、その都度、話題を提供してくれるからです。

ゴルフは、コミュニケーションが苦手な方でも苦にならない、人間関係構築のツールなのです。自他ともに認める人見知り芸人であるオードリーの若林正恭さんが、テレビ番組で、『ゴルフは自分のような人見知りに向いているスポーツだ』と話しているのを観たことがありますが、まさにその通りだと思いました」

トラブル発生時にこそ人の本質が現れる

ゴルフを一緒にプレーすると、お互いのことを深く知ることができる。ということは、信頼を得るチャンスである半面、信頼を失ってしまう可能性もある。しっかりと信頼を得るためには、どういう点に注意すればいいのだろうか。

「ゴルフでは、ミスショットや突然の雨、あるいはボールが見つからないといった様々なアクシデントが、必ず発生します。そうしたトラブルに見舞われたときの対応を見れば、その人がどんな人か、おおよそ見当がつきます。

例えば、ミスショットをして、ずっとそのことを引きずる人もいれば、気持ちを切り替えて『十分、十分! 次、いきましょう!』と前向きにプレーする人もいます。

また、相手のショットのときに大きな声で話している人もいれば、ボールの行方をしっかりと見て、スムーズにプレーが進行するように配慮する人もいます。

心がけるべきは、『いつもの自分』ではなく、『理想の自分』で臨むことだと思います。いつもはせっかちですぐに熱くなる性格だとしても、涼しげな顔をして周りのペースに合わせる、夢中になってつい大声を出すことのないよう注意する、というように、ちょっとだけ背伸びをして、『理想の自分』を意識しながらプレーをしてみてはいかがでしょうか」