ペルセウスプロテオミクス ZUU online Members
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【目次】
①️ペルセウスプロテオミクスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/11更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/6更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社ペルセウスプロテオミクス
コード
4882
市場
マザーズ
業種
医薬品
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長執行役員 横川 拓哉 /1960年生
会社住所
東京都目黒区駒場四丁目7番6号
設立年
2001年
社員数
18人(2020年1月31日現在)
事業内容
医薬品等の研究開発、製造、販売
URL
https://www.ppmx.com
資本金
799,970,000円 (2020年2月17日現在)
上場時発行済み株数
9,116,400株
公開株数
2,970,000株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2020/03/03→540~600円に決定
ブックビルディング期間:2020/03/05 - 03/11
公開価格決定:2020/03/12
申込期間:2020/03/13 - 03/18
上場日:2020/03/24
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:みずほ証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:エース証券
引受証券:いちよし証券
大株主
富士フイルム(株) 44.28%
NVCC8号投資事業有限責任組合 18.89%
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 5.78%
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 5.70%
横川拓哉 4.45%
三菱UFJキャピタル(株) 4.22%
SMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合 3.80%
(株)キースジャパン 2.25%
(株)バイオテクノロジー・トランスファー 1.42%
小南欽一郎 1.38%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2017/03 単体実績 
282,592 -197,486 -188,149 269,020
2018/03 単体実績 
303,983 -163,663 -178,284 1,490,676
2019/03 単体実績 
275,959 -145,545 -163,054 1,327,621
2019/12 第3四半期単体実績 
61,877 -704,672 -709,798 617,823
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2020年6月21日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
17億8200万0000円(2,970,000株×600円)
潜在株数(ストックオプション)
601,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ペルセウスプロテオミクス<4882>は東京大学発のバイオベンチャーである。富士フィルムが株式シェア44%を有する筆頭株主となっている。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■沿革
同社は2001年2月に東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作成技術を基盤として、診断・創薬標的に対応する抗体の医療への活用を目指して設立された。

2009年に富士フィルムが株主割当増資により株式の77%を保有し親会社となった。しかし2018年3月の第三者割当増資の結果、富士フィルムの株主シェアは49%となりその他の関係会社となった。ただし現在も富士フィルムが筆頭株主である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細
同社は創業以来、医薬品シーズ抗体を創生することで、がん及びその他疾患の医療用医薬品の研究開発及び関連業務を行っている。

同社は機能性の高い抗体を独自の技術で作製し、その抗体を治療薬として開発することなどを行っている。

名古屋ラボが2019年1月に開設され、現在は本社ラボ(東京)と名古屋ラボの2拠点での開発体制である。


■創薬について
同社はこれまで創出したがん治療用抗体のうち、肝臓がんを標的とする抗体、固形がんを標的とするRI標識抗体を、それぞれ製薬メーカーである中外製薬、富士フィルムに導入した。現在導入先により臨床試験が行われている。

また難治性血液がんを標的とした抗体は、2014年に国立研究開発法人価額技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラムに採択され開発を進め、2018年より企業主体の開発に切り替えて推進中である。更に難治性固形がんを標的とした薬物結合抗体(ADC)等数々のがん治療用抗体の研究・開発を進めている。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●中外製薬との開発状況
中外製薬と開発中の治療薬(PPMX-T001)は肝臓がんを対象疾患としている。第Ⅰ相試験で患者の有効性が確認され、第Ⅱ相試験は主要評価項目が未達となった。一方でアデゾリズマブとの併用で第Ⅰ相試験を行い、患者での有効性が確認されたことが学会で発表されている。

●富士フィルムとの開発状況
富士フィルムと開発中の治療薬(PPMX-T002)は卵巣がん、胆道がん、頭頚部扁平上皮がんを対象疾患としている。富士フィルムは米国で2016年より進行性固形がん患者に対する抗がん剤として第Ⅰ相試験を開始し、投与された患者でPPMX-T002の抗体ががん組織に集積すること、及び安全性が確認された用量で一部疾例において腫瘍の縮小が確認されている。2019年より第Ⅰ相試験を拡大し最大耐容用量で症例数を増やし、日本の厚生労働省の定める第Ⅱ相試験相当を実施している。

また固形がんを対象疾患とするPPMX-T004についても富士フィルムに導出済みであるが、開発状況は非開示となっている。

●PPMX-T003について
ライセンスの提携先が決定されていないPPMX-T003は、血液がんを対象疾患としている。JSTの研究成果最適展開支援プログラムの支援を得て、2018年にサルを用いた非臨床毒性試験を完了した。今後同社自己資金により開発を継続し企業治験を実施する。

今期から第Ⅰ相試験を開始している。急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん治療薬としての作用機構を明確化するため、宮崎大学、名古屋大学、藤田医科大学、順天堂大学等と共同で臨床効果に関する創薬研究を推進する。


■業績推移
2017年3月期 売上高2.8億円、経常利益▲2.0億円、当期純利益▲1.9億円
2018年3月期 売上高3.0億円、経常利益▲1.6億円、当期純利益▲1.8億円
2019年3月期 売上高2.8億円、経常利益▲1.5億円、当期純利益▲1.6億円
2020年3月期(予想) 売上高0.8億円、経常利益▲9.0億円、当期純利益▲9.1億円

現状まだ治療薬の上市に至っておらず、開発ステージのため赤字が継続中。2020年3月期は提携先との開発マイルストーン収入が発生しないため、売上高は1億円未満の予想である。尚、2020年3月期Q3時点では売上高0.6億円、経常利益▲7.0億円となっている。

2020年3月期(今期)はPPMX-T003の治験薬が完成したこと、また第Ⅰ相試験が開始したこと等により販管費が対前年同期比+5.0億円増加するため、赤字額の大幅な拡大が予想されている。


■財務状況
2019年3月期末時点で資産合計14億円に対し純資産合計13億円、自己資本比率98%である。

借入金なく現預金11億円を有しており、足元の財務状態に特段の懸念事項はない。


■資金使途
IPOにより9.4億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。

・PPMX-T003の研究開発費用(第Ⅰ相試験及び第Ⅱ相試験) 4.5億円
・抗体医薬品の新規パイプラインの研究開発費用 1.0億円
・事業開発及び運転資金の事業運営経費 3.9億円

調達資金の約半数がPPMX-T003の研究開発費用に充当される。

尚、公募増資のみが行われ売出は行われない。


■株主状況
筆頭株主は富士フィルム(株式シェア44%)である。また子会社の富士フィルム富山化学も0.9%の出資を行っている。

横川社長は潜在株式で4.5%の株式シェアを有している。

第2位株主のNVCC8号投資事業有限責任組合以下、VCが合計5名義で出資を行っておりVC比率は38%である。尚、全VCはIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。


■まとめ