(本記事は、阪井裕樹氏の著書『世界のトップは身につけている1分で相手の心をつかめ』株式会社コスミック出版の中から一部を抜粋・編集しています)
僕たちは毎日誰かにプレゼンテーションをしている
「この本を読んでくれているあなたは、毎日誰かにプレゼンテーションをしている」
こう言われたら、あなたはどう思うだろうか。
いや、そんなことをしてはいない!
プレゼンテーションなんて、大学とか仕事でするものでしょ。
もしかしたらこのように思うかもしれない。確かに、一般的にはプレゼンテーションは、自分の考えを相手に伝えるために説明をすることを指す。
ただ、広義の意味、つまり「伝える」という意味では、僕たちは日常様々な場面で誰かにプレゼンテーションをしている。
たとえば、あなたが誰か好きな人がいるとしよう。
そしてその人に、自分を好きになってもらいたい!
という場合。
あなたは、あの手この手で自分をアピールするはずだ。
そうやってあなたは、自分の魅力を相手につたえる。
そしてあなたの魅力が相手に伝わったとき、相手はあなたを好きになる。
これは、企業が持つ「ストーリー」が「伝え」「伝わった」状態となり、「ブランド」として認知されるのと同じ流れだ。
このように場面や対象が異なっても、常に僕たちがしていることは、自分自身のストーリーを伝え、伝わったという状態をつくることを目指している。
これは別に言葉だけではなく、たとえば服装や化粧など、非言語の部分でも僕たちは常に、相手に自分の情報を伝えるということをしている。
ビジネスの世界で常に言われていることは、自分自身の常日頃のあり方が大事だということだ。
たとえばあなたがコンビニに行ったとき、コンビニの店員さんに対してどのような態度をとるだろうか。
僕はいつもお釣りをもらうときには、必ず「ありがとう」というひと言をいう。
僕も以前サービス業にいたときに、お客様から「ありがとう」と言われると、とても嬉しい気持ちになったので、同じように自分も何かをしてもらったら、「ありがとう」というように心がけているからだ。
このようなことをしていたら、ある日驚くべきことが起こった。
なんと、コンビニの店員さんが僕のセミナーに来てくれたのだ。
理由を聞くと、「阪井さんなら信頼できると思ったから」とのこと。
確かに、挨拶(あいさつ)はしていて、雑談はしていたけれど、僕は別にその店員さんにセミナーに来てほしいとはひと言もいっていなかった。
その店員さんはこうも言っていた。
「コンビニの店員というと、お客様はどうしても、自分より立場が下の人間だと見てしまいがちだ。でも、巡り巡って立場が逆転することもある。人って別に誰が偉いとか偉くないとかではなく、皆対等だと思うんだ」と。
後からわかったのだが、その店員さんはコンビニのオーナーさんで、いわば経営者だったのだ。
経営者は人を良く見ているとはいわずもがな、その通り。
あるときは、自分は誰かにとってお客様かもしれない。
でも、またあるときは、その誰かが自分にとってのお客様になるかもしれない。
つまり僕たちは、売り手、買い手といった立場に関わらず、また、商談の場だけではなく、常に何らかの形で自分を相手にプレゼンテーションし、また相手も同じように自分に対してプレゼンテーションをしていて、お互いに観察している。
そしてそのプレゼンテーションが「伝え」「伝わった」時に初めて「契約」という形に変貌する。
プレゼンテーションの形は言語的、非言語的と様々だが、僕たちのコミュニケーションは多くの場合、「言葉」を使ってしている。
このことから、「言葉を研(みが)く」ということがいかに大事なことなのか、ということがお分かりいただけると思う。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます
- アップルやスターバックスから学ぶ、「ストーリー」をブランドにする方法
- ストーリーでモノを売る!営業マンは自分の人生の話を語った方がいい理由
- 「人生はプレゼンテーション」という考え方のメリットとは?
- 結果を出す人が必ず持っている必殺技「エレベーターピッチ」とは?