ワインについて知っておきたい基礎知識の1つに、「シャンパンとスパークリングワインの違い」があります。炭酸ガスがワインの中に閉じ込められている点は同じですが、「シャンパン」と呼べるものには、いくつかの条件があります。

スパークリングワインの醸造法

シャンパン
(画像=Gudrun Muenz/Shutterstock.com)

スパークリングワインは、日本でも結婚式やパーティーなどのおめでたい席で飲まれることが多く、人気のあるお酒です。一般的に3気圧以上の炭酸ガスを含むワインを指し、「発泡性ワイン」などとも呼ばれます。

スパークリングワインは、ワインに炭酸ガスを閉じ込めて造ります。炭酸ガスの閉じ込め方はいくつかありますが、代表的なのは、耐圧性の瓶にワインと糖分と酵母を入れてコルク栓と針金でしめ、アルコールを発酵させる方法です。これによって生じる炭酸ガスがワインに溶け込むことで、「スパークリングワイン」になります。

シャンパンとスパークリングワインの違い

スパークリングワインもシャンパンも炭酸ガスを含むワインですが、何が違うのでしょうか。最大の違いは、産地です。

フランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインを「シャンパン」と呼びます。フランスの「原産地呼称管理法」(AOC法)と呼ばれる法律で規定されており、その条件を満たしたスパークリングワインのみが「シャンパン」を名乗ることができるのです。

AOC法では、ぶどうの品種や栽培方法、醸造方法、アルコール度数などの規定があり、この条件に合わないスパークリングワインはシャンパンと呼ぶことができません。

シャンパンをはじめ、実はスパークリングワインには他にもさまざまな呼称があります。同じフランスでも「ヴァンムスー」や「クレマン」、「フランチャコルタ」などがあり、ドイツでは「シャウムヴァイン」や「ゼクト」、イタリアでは「スプマンテ」や「カヴァ」、スペインでは「エスプモーソ」といった具合です。アメリカでは、「スパークリングワイン」が一般的な呼称です。

シャンパンの甘辛度を決める「ドザージュ」

シャンパンをより楽しむために、「ドザージュ」について説明しておきましょう。

スパークリングワインはワインに糖分を加えて造ると説明しましたが、シャンパンの醸造において、糖分を加えるためにリキュールを添加することを「ドザージュ(Dosage)」(日本語では「ドサージュ」と書くこともあります)と呼びます。

ドザージュにおいて、どれだけ糖分を加えるかでシャンパンの甘さを調整することができ、糖分を多く含めると甘口に、少量加えると辛口のワインに仕上がります。まったくリキュールを含めないものは、「ノン・ドザージュ」などと呼ばれます。

この甘辛度はシャンパンのラベルに記載されます。最も甘口とされるのが「ドゥ(Doux)」で、やや甘口が「セック(Sec)」、辛口が「ブリュット(Brut)」です。さらに辛口のシャンパンは「エクストラ・ブリュット(Extra Brut)」、最も辛口のものは「ブリュット・ナチュール(Brut Nature)」と記されます。

シャンパンを美味しい料理とともに

シャンパンやスパークリングワインの知識を深めることで、ワインの楽しみはより広がります。シャンパンは脂分が多い肉料理や揚げ物にも合うだけでなく、辛口であればヒラメや真鯛など白身の刺身との相性も抜群です。試してみてはいかがでしょうか。 (提供:JPRIME


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