他人を「いいね!」することに人生を捧げない
Facebook の「いいね!」は、本来誰もが持っている「周りから認められたい」「人から尊敬されたい」という承認欲求を突いた、ある意味巧妙な仕組みだと思います。
しかし、やたらに「いいね!」をするのは時間をとられますし、自分に確固たるものがないのに他人の「いいね!」ばかりしていても何の成長も得られません。他人に関心を持つのはいいことですが、私はもっと自分自身や自分の人生を見つめるべきだと思っています。
そういう意味では、本当に「いいね!」、と思った時だけ「いいね!」をするので十分でしょう。他人への点数稼ぎのために、「いいね!」に人生を捧げる必要はありません。それに、本心では良いと思ってないのに、「いいね!」をしていたら、自分が誰だか分からなくなってしまいます。
ソーシャルメディアがなかった時代の偉人たちは、自分の仕事や行動でその名を轟かせてきました。本物として他人に認められたいのなら、やはり仕事や行動の質の向上に時間を費やすべきです。他人とのつながりが意味を持つのはネットもリアルも同じですが、あなたの人生を輝かせる、もっと大切なことから目を背そむけてはいけません。
いちいち返事しない、反応しない
ソーシャルメディアに投稿した内容に対して、コメントが入ることがあります。誰しも自分の投稿に対して、人から反応があると嬉しいものです。しかし、コメントには良いものも悪いものもあります。ちなみに、Facebook は比較的友人・知人から良いコメントが入りやすいのが特徴です。一方でTwitter やYouTube、ポータルサイトの公開コメント欄といった匿名かつ不特定多数の人の目に触れるものは、時に悪いコメントが入ることもあります。
また、すべてのコメントに返事を返している人をたまに見かけますが、いったいいつ仕事をしているんだろう、と不思議に思うこともあります。すべてにコメントを返すのは時間的に無理があるだけでなく、集中力も奪われます。もし今あなたが無理をしてコメントを返しているのであれば、自分が適切と思うものだけに反応するようにしましょう。
投稿をしばらくお休みしてみる
もしソーシャルメディアへの投稿に心理的な負担や義務感を感じるようになってきたら、無理せずお休みすることをお勧めします。
投稿を止めたら周りが心配するのではないか、良くないことを思われるのではないか……などと不安に思う必要はありません。そう思った時点でソーシャルメディアの弊害を受けていることになります。
そもそもちょっと前までなかったのですから、なくなっても本来困らないはずです。
お休みする前にひと言、「しばらくお休みしよっと」「仕事に集中せねば」といったツブヤキ投稿をしておくだけで十分です。
また、お休み宣言後に一時的に投稿したくなった場合にも、「今日はどうしても書きたくなったので、書いちゃいます」ぐらいの緩いルールでいいのではないでしょうか?
つながりを得るために自分を縛る必要はありません。ソーシャルメディアとの距離感もそろそろ見直す時が来ているのではないでしょうか。
岡田充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ〔株〕代表取締役
1日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパース、マーサージャパンを経て甲南エレクトロニクス〔株〕にマネジメントディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を実行し、創業以来の最高益を達成。カナリア〔株〕に商号変更すると同時に代表取締役に就任し、無借金化を達成。その後、謎解きイベントの企画会社クロネコキューブ〔株〕を設立し代表取締役に就任、設立5年で西日本を代表する謎解きイベント会社に成長。また、多くの企業や団体でアドバイザーを務め、起業支援や若手人材の育成にも精力的に取り組む。趣味はトライアスロン、固定席を持たず走りながら働く独自のラン&ワークスタイルが注目を集めている。著書は7万部のベストセラー『超速パソコン仕事術』(かんき出版)ほか、『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)など全14冊。PRESIDENT WOMAN連載中。(『THE21オンライン』2019年12月31日 公開)
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