◉アフリカの主要産業

現在、アフリカで元気な産業分野をピックアップすると以下の9分野が上げられます。

◯金融
◯素材
◯鉱業・エネルギー
◯通信
◯消費財
◯工業
◯農業
◯観光
◯建設(インフラ)

現在までのアフリカの経済成長は資源価格の上昇と外国資本の流入によるものが大きく、分野としては資源開発に依存している傾向がありました。長期的な成長を考えた場合、資源に頼らない経済成長を視野に入れるべきと言われています。また、汚職問題も解決したとは言い切れず、現状としてかなりの程度でアフリカに蔓延っています。インフラも積極的に開発しているとはいえ、まだ充実しているとは言えない状態です。

長期的な成長を考えた場合、今後アフリカでホットになると思われる分野は以下の2つと言われています。

教育(人材育成/初等・高等教育)

アフリカでは識字率が63%と低く(世界平均は75%)、初等教育ですら受けられない子供がおよそ4,000万人いると言われています。改善傾向にはありますが、解決はされていません。
なおその中では、ボツワナの識字率90%は極めて高く、純就学率もおよそ85%と、他のアフリカ諸国に比べて極めて良好です。そのため、ボツワナは世界銀行のビジネス環境ランキングの中でアブサハラ地域のうち4位に位置付けられています(1位南アフリカ、2位モーリシャス、3位ルワンダ)。

ビジネス環境ランキングの上位国家は基本的に教育水準が高いことからも、教育とビジネスには強い相関関係が予想され、今後教育分野に力が注がれることが予想されています。

環境保全(医療・インフラ)

アフリカといえば、劣悪な衛生環境に、マラリアとエイズが蔓延しているイメージが強いかもしれません。しかし、HIVに関してはまず治療薬にかかる費用が年間10,000ドルから100ドルへと大幅に下落しました。そしてその事による服用者数の増大により、2011年の新たなHIV感染者数は01年に比べて25%低下しました。
また、エイズによる死者も32%低下しています。エイズに限ってみても、かなりの改善が進んでおり、生活レベルの向上とともに医療分野の進歩も期待でされています。

また、資源開発や工業化に伴う環境悪化も懸念され、世界各国の協力を得ながら、環境問題への取り組みとその事業開発にも進んでいくものと思われます。

◉アフリカへ投資する為の関連ファンド

最後に、アフリカへの投資に興味がある方のために、アフリカ関連のファンドを紹介してまとめたいと思います。

野村アフリカ株投資(野村アセットマネジメント)

ファミリーファンド方式で運用。主要投資対象は、アフリカ諸国(当面、主として南アフリカ、エジプト、モロッコ)の企業の株式(DR(預託証券)を含む)。収益性、成長性、財務安定性および株価の割安性などを総合的に勘案して選択した銘柄に投資し、信託財産の成長をはかることを目的として積極的な運用を行う。原則として、為替ヘッジは行わない。11月決算。

マーケット・ベクレル・アフリカ・インデックスETF(ヴァン・エック・グローバル)

米国の運用会社、ヴァン・エック・グローバルの運用するETFのひとつ。同ファンドはダウ・ジョーンズ・アフリカ・タイタンズ50指数に連動するように設計されている。2011年末の時点での同ETFの組み入れ銘柄数は51、株価収益率(PER)は12.26倍、株価純資産倍率(PBR)は1.79倍でした。また配当利回りは3.41%。

日興アフリカ株式ファンド(日興アセットマネジメント)

ファンドオブファンズ方式で運用。主要投資対象は、アフリカ諸国の自国通貨建株式あるいは他通貨建株式(預託証書などを含む)ならびにアフリカ諸国で事業展開を行う企業の株式。投資国・テーマ別の分析と個別企業の分析によって銘柄を厳選し、中長期的な信託財産の成長を目指す。原則として、為替ヘッジは行わない。10月決算。

パン・アフリカ株式ファンド(損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント)

ファンドオブファンズ方式で運用。主要投資対象は、アフリカに本拠を置く企業または、アフリカでビジネスを拡大していくことが期待される企業の株式。日本の公社債へも分散投資を行い、信託財産の中長期的成長を図る。原則として、為替ヘッジを行わない。3、9月決算。

南アフリカ株ファンド(キャピタルアセットマネジメント)

主要投資対象は、南アフリカの取引所に上場している株式、ならびに世界各国・地域の取引所に上場している南アフリカ関連企業の株式。銘柄選定にあたっては、企業収益の成長性や財務健全性などを勘案して厳選し、信託財産の中長期的な成長を目指す。原則として、為替ヘッジを行わない。7月決算。

アフリカ教育ボンド(販売:大和証券/発行体:アフリカ開発銀行)

債券ですが証券業界でも有名なため紹介させて頂きます。大和証券が定期的に募集している南アフリカランド債券です(セカンダリーでの売買について存在するのかは直接大和証券にお問い合わせください)。この債券発行による調達資金は、アフリカ開発銀行(以下、AfDB)の通常資本財源に組込まれ、AfDB設立協定に従って使用されている。AfDBは、その融資基準に従って、かかる調達資金と同額を、教育分野でのプロジェクトに充当している。本債券の元利金の支払いは、各プロジェクトの信用や成果の影響を受けるものでなく、本債券の投資家は個別のプロジェクト・リスクを負担するものでもない。AfDBについてはAAA/Aaaの信用格付が認められており(2013年4/10時点)、この債券の元利金はAfDBの信用力に基づいて支払われる。

以上、今後の成長が期待されるアフリカに投資する上での参考情報をまとめさせていただきました。
なお、アフリカは、欧米とは異なる経済発展を遂げてきたアジアの経済発展に強い関心を持っていると言われています。私達アジア諸国には、自らの経験と学びを伝える形でのアフリカとの関係強化が望まれています。

BY M.K

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