【連載 経営トップに聞く】第26回 ソニー銀行〔株〕代表取締役社長 住本雄一郎

ソニー銀行,住本雄一郎
(画像=THE21オンライン)

超低金利が続き、銀行の経営環境が厳しい中、ソニー銀行〔株〕は業績を好調に推移させている。その要因は何か? また、さらなる成長に向けて、どのような布石を打っているのか? 同社社長の住本雄一郎氏に話を聞いた。

業績好調の最大の要因は「住宅ローン」

――2020年3月期中間期の経常収益(連結)は前年同期比11.5%増、経常利益(連結)は前年同期比20.6%増と、業績が好調です。要因はなんでしょうか?

住本 最も大きいのは住宅ローンです。特に2019年は首都圏を中心にマンションの竣工数が多く、提携している不動産販売会社を中心に住宅ローンの申し込みが伸びました。

――住宅ローンは他の金融機関も扱っていますが……。

住本 ネット銀行なので、店舗を展開している銀行よりも金利が低いことが、当社を選んでいただいている理由だと思います。もっとも、ネット銀行の間でも金利の競争が激しくなっていて、当社が常にトップを取れているわけではありません。ただ、トップ3には入るよう努力しています。

また、不動産販売会社に当社の住宅ローンを紹介していただくケースも多いです。当社には専任のローンアドバイザーがいて、住宅ローンのお申し込みから引き渡しまで、お客様がどのタイミングで何をしなければならないのかを、電話やメールでフォローしています。住宅を買うのに慣れている方はほとんどいませんから、こうしたフォローが必要なわけです。通常は不動産販売会社がフォローすることになりますが、当社で住宅ローンを組んでいただければ、当社のアドバイザーが対応するので、不動産販売会社の負担軽減になります。

もう一つ、当社の強みとしては、同じソニーフィナンシャルグループのソニー生命保険〔株〕の、ライフプランナーと呼ばれる営業職の方々にも、当社の住宅ローンを紹介していただいていることがあります。つまり、ソニー生命に当社の代理店になっていただいています。ライフプランナーがお客様と保険の話をするときには住宅購入の話をすることも多いですから、非常に相性がいいわけです。

――住宅ローンに力を入れているのは、いつからですか?

住本 当社はもともと、インターネットを使うことで個人のお客様と直接接点を持てるという特長を活かして、個人のお客様のための銀行として開業しています。個人のお客様にとって住宅ローンは大事な問題ですから、開業当初から力を入れてきました。

――2020年の東京オリンピックが終わるとマンションの着工数が減るのではないかという予測もあります

住本 全体の着工数が減る可能性はあるかもしれませんが、当社が住宅ローンのシェアを伸ばす余地はまだまだあります。それに、日本人にとって、やはりマイホームを持つことは夢であり続けると思います。住宅ローンの需要がなくなることはないでしょう。これからも、その需要に応えていきます。