(本記事は、中谷彰宏氏の著書『自己肯定感が一瞬で上がる63の方法』PHP研究所の中から一部を抜粋・編集しています)
「手間がかかって、儲からないこと」は、上がる。
自己肯定感を上げる要素は、
(1)めんどくさいこと (2)儲からないこと
の2つです。
これは人間の脳のバランスです。
脳の中では、「こんなに手間がかかって、こんなに儲からないことは、きっと面白いに違いない」と感じています。
手間のかかることを喜ぶ構造が、脳の中にプログラムとしてあるのです。
たとえば、大体の神社・仏閣は山の上の不便なところにあります。
石段を登らないとたどり着けません。
駅からも遠いのです。
不便なところにある最たるものが現代美術館です。
現代美術館は、とてつもなく遠いところにあります。
土地のスペースが必要だからです。
自然の中に置きたいということもあります。
駅前にはありません。
だから、いいのです。
行くまでのプロセスで、すでに味わっているのです。
これが「行列理論」です。
プラモデルで完成形を買わないのは、つくり上げるプロセスを楽しみたいからです。
神社・仏閣の真ん前にバス停をつくると、一気に人が来なくなります。
歩かなくて済むようになると、ありがたみがなくなるのです。
参道のお店は売上げ激減です。
バス停が遠いと、帰り道にそこを通るから、モノが売れるのです。
ラクしたものは記憶に残りません。
旅行も同じです。
修学旅行は、自分では何も考えていません。
すべて決められています。
むしろ考えてはいけないし、勝手なことをしてはいけないのです。
僕は、修学旅行は枕投げの記憶しか残っていません。
枕投げでガラスを割って、畳の底の床をぶち抜いてしまったので、それをどうカモフラージュして先生にバレないようにするか、そこに一番頭を使いました。
そこでヘトヘトになって、昼間の観光バスはずっと寝ていました。
旅行では、大変だったこと、トラブルになったことを記憶します。
儲かる仕事は、印象に残りません。
意識が金額の方へ行ってしまうからです。
記憶や物語は、数字に負けてしまいます。
お金には、そういう強さがあるのです。
手間がかかりそうなこと、儲からなさそうなことをすることで、自己肯定感が上がるのです。
「儲からないこと」をしよう。
言いわけすると、下がる。言いわけしないことで、上がる。
自己肯定感を上げるためにする言いわけは、自己肯定感を下げます。
言いわけをしないことで、自己肯定感は上がるのです。
これは相手の評価ではありません。自分自身の気持ちです。
言いわけをする時は、自分自身でわかります。
どうしても言いわけをしたい時は、「言いわけします」「これ、言いわけですけど、言っていいですか」と、最初に言うことです。
話を聞く側も、相手の自己肯定感を上げてあげるために「言いわけをまず言ってみろ」と言うことです。
「それは言いわけだな。言いわけするな」と言うのはNGです。
人間は、言いわけを言うことで安心するのです。
そこから反省が始まります。
まず言いわけをしないと反省する気持ちにならないのです。
言いわけを、できるだけ短くすることです。
言いわけを言わせないと、相手はずっと言おうとし続けます。
反省の言葉を1時間言った後に、「でも、これだけ言っていいですか」と言いわけをします。
聞いている側は、「この1時間はなんだったんだ」と思います。
言いわけで自己肯定感が上がることはありません。
どうしても言いわけをしたいなら、とっとと言ってしまうことが大切なのです。
言いわけを、短くしよう。
1つのことをやり続ける。
会うたびに「今度○○を始めたんですよ」と言う人がいます。
「凄いんですよ。この話、聞きたいですか?」と言われても、僕は「いや、聞きたくない」と答えます。
何かを始めて1週間しかたっていない人の話に、深いところはないからです。
「まだ始めて30年しかやってないです」と言う人の話は、どんなことでも聞きたいです。
「折紙を30年やってるって、どういうことなの?」と、興味が湧きます。
「何か始めたんだよね?」と聞いて、「今度また別のことを始めた」と言う人は、1人カルチャーセンター状態です。
ジャンルだけが多いのです。
それでは、1つ1つのジャンルで深みに入れません。
継続するものを持たない人の話は、浅くて面白みがないのです。
「継続できるもの」を持とう。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます