(本記事は、中谷彰宏氏の著書『自己肯定感が一瞬で上がる63の方法』PHP研究所の中から一部を抜粋・編集しています)
「なりたい人」を見ると上がり、「隣の人」を見ると下がる。
授業をしていて、「この人は伸びるな」と思うのは、先生を見ている人です。先生が話している時に、「あ、イタタ。やってしまいました。それ、私だ」「この漢字、前も教わったのにまた忘れてる」と、ずっと先生を見ている人は伸びます。
隣を見て、「こんなこともわからないの?それは私は知っていて、あなたは知らないのね」と言う人は、先生を見ていません。
そういう人は、大体、自分が勝っていそうな人を見ます。
下のランクの人を見ても、学ぶところはありません。
ネット社会と同じです。
自己肯定感の低い人は、なりたい人を見ていません。
マウンティングをすると、自己肯定感が下がります。
自分と同等または勝てそうな人を見てマウンティングしていくという形をするから、自分自身が成長しないのです。
「隣の人」より「なりたい人」を見よう。
「好きなこと」について話すと上がり、「嫌いなこと」について話すと下がる。
会話のテーマは2通りです。
「好きなこと」を話すか「嫌いなこと」を話すかです。
たとえば、「あの本、読みました?面白くなかったでしょう」という話はしなくていいです。
それを話しても、楽しくありません。
「あの本、売れてるけど、面白くなかったでしょう。何が面白いんでしょうね」という話はどうでもいいのです。
「この本を読んだら面白かった」という話題の方が、お互いのプラスになります。
嫌いなことを話すのは、そのことを下げることによって自分が上がろうとしているのです。
本人は「面白くない本がなぜ売れている」と、嫌いなことを言えば言うほど不機嫌になります。
それよりは、「油断してたけど、この本、面白かったな」と言う方が、言っている人の株も上がります。
「そういえば○○の本が面白かったですよ」という話題が出たテーブルは面白い本の分科会です。
嫌いな本の話をしていると、嫌いな本がテーマの分科会の人が集まります。
世の中の本は面白くないという結論になるのです。
「世の中の本を全部見た」錯覚に陥っているのです。
仕事をしている人は、「景気悪いですね」という話が好きです。
その話題を話すテーブルは「景気悪い研究会」です。
一方で、「この間、消費税が上がったのに儲かってる会社があるんですよ」という話が出たテーブルは、「どんな機会であろうとチャンスを考える研究会」になり、「なるほど。それは考えたね」と言って、アイデアがどんどんひらめきます。
景気のいいことやチャンスを探そうとする集団と、景気が悪い話をすることが好きな集団は、上と下にくっきり分かれます。
「好きなこと」や「景気のいい話」をする人の方が、自己肯定感は上がるのです。
「景気のいい話」を話そう。
結果の「差」をマネすると、下がる。原因の「違い」を変えると、上がる。
「違い」と「差」の違いは何でしょうか。
「あんな人になりたい」と思う人がいます。
その人が今していることをマネすることで、「あんな人」になろうとします。
これは間違ってはいません。
たとえば、自分がIT企業の経営者になりたいと思った時、IT企業の経営者のブログを見れば、その人がごはんを食べに行く店がわかります。
そのお店で食べたらIT企業の経営者になれるかというと、なれないのです。
「違い」は原因の違い、「差」は結果の差です。
受験や仕事の成功や失敗は結果なので、差です。
「成功している人のように成功しよう」というのは、不可能です。
成功している人がどうやって成功したかというところに「違い」があります。
それを選べばいいのです。
「ホリエモンさんが行っているお店でごはんを食べているのに、ちっともIT長者になれない」とボヤく人がいます。
それは結果をマネしているだけです。
ここで自己肯定感が下がってきます。
「違い」と「差」の違いに気づくことです。
自分で選択できるのは「違い」です。
寝る前にケーキを食べるか食べないかは、自分で決められます。
体重の違いは結果なので、「差」です。
なりたい人がいたら、違いをマネすればいいのです。
差は違いから出てきた結果にすぎません。
差に文句を言っても仕方がないのです。
「あの人はあんなに仕事ができる」とか「あの人はあんなにモテる」というのは、その人の差に対して文句を言っています。
見た方がいいのは、そのためにしている努力の違いです。
努力の違いを見ると納得です。
その人はケーキをガマンして、自分は食べてしまったということなのです。
結果より、原因をマネよう。
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