お金持ち入門
(画像=Peshkova/Shutterstock.com)

(本記事は、土井 英司氏の著書『お金持ち入門 資産1億円を築く教科書』実業之日本社の中から一部を抜粋・編集しています)

お金持ちへの道は税金を知ることから始まる

● 所得税はお金持ちほど税率が高い

私たちにもっとも身近な税金といえば消費税ですが、2番目はやはり毎月お給料から引かれている所得税でしょう。

あなたのお給料(所得)に対してかかる税金が、所得税です。

わが国の所得税の特徴は「累進(るいしん)課税」と呼ばれるものです。

所得の低い人は税金が低く、高所得者には多額の税金がかかる仕組みです。最低税率は5%で最高は45%、7段階に分かれます。

所得税のほかに気にかけておきたいものが、住民税です。

所得税と住民税で、お給料に対する税金が構成されています。

住民税は所得税とは違い、税率は一律10%です。

● 法人税は約20%〜約35%までの3段階

これに対して、会社の利益にかかる税金が法人税といわれるものです。

法人税は会社の規模や儲けの大きさにかかわらず、基本的には税率が同じです。社員数万人の大企業でも従業員数名の零細企業でも実効税率は現在、平均で33%程度です。実効税率とは、所得金額のうちに法人税、法人道府県民税、法人市町村税、法人事業税が占める割合です。

● 社長は自分で自分の給料を決められる

社長は自分で自分の給料を決められます。所得税のほうが安ければ自分の給料を増やすし、法人税のほうが安ければ会社にお金を貯めておきます(これを「内部留保」といいます)。

会社員ならば所得税と住民税を納めるしかありませんが、経営者だと法人税で払うのがトクなのか、あるいは所得税と住民税で払うほうが有利なのかを選べるというわけです。

● 税金を安くしたければ稼ぎは分配する

税金の大原則として頭に入れておきたいのは、所得は分ければ分けるほど基本的には税金が安くなるということです。

だから、社長は奥さんを社員にして給料を払うのです。

たとえば、所得税額の計算に際し、すべての納税者が無条件で差し引くことのできる「基礎控除」があります。基礎控除の金額は一律38万円です。所得を自分と奥さんの2人で分ければ、「基礎控除」は2人分の76万円使えます。

奥さんと子ども2人が自分の会社で働いている社長の場合であれば、「基礎控除」が4人分の152万円使えることになります。

サラリーマンでもこの原則は当てはまります。配偶者がいれば、控除額は「基礎控除+配偶者控除」で倍の76万円になり、子どもを含めて3人いれば「+扶養控除」で3倍、4人だと4倍に増えます。控除額の増加に伴って、税金の支払いは少なくなっていきます。

● 1800万円以上の所得があると35%の税金がかかる

課税所得金額が年間1800万円を上回ると、所得税+住民税の実効税率は約35%となります。法人税の実効税率とほとんど変わりません。

ということは、年間1800万円までは給料で取ったほうが税金が安くなることになります。

ただしこれは社会保険料などを考慮していませんので厳密には変わってきますが、考え方はこのようになります。

お金持ち入門 資産1億円を築く教科書
土井 英司
エリエス・ブック・コンサルティング代表。日本で一番お金の本を読み、プロデュースし、投資を実践する。「アマゾンのカリスマバイヤー」として多くのベストセラーを生む。2004年に独立後は数多くの著者のブランディング、プロデュースを手掛け、『年収200万円からの貯金生活宣言』『投資信託選びでいちばん知りたいこと』などお金の本でのヒットも多い。「フレキシブルに、アグレッシブに」の思考法で、株式で数千万円、不動産で数億円を投資する実践家でもある。

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