(本記事は、土井 英司氏の著書『お金持ち入門 資産1億円を築く教科書』実業之日本社の中から一部を抜粋・編集しています)
お金を運んでくる物件の見つけ方
● 地方の物件を狙え!
資産を増やそうとすれば、地方の不動産、収益物件の売買を私(伊藤)はおすすめします。
首都圏と地方の物件の利回りに格差が生じるのは、マーケットの熱さに起因します。
株式などとは異なり、「一物一価」ではないのが不動産の世界です。しかし、たとえば、東京・銀座のビルの売買などの場合、「プレーヤー」が多くて、取引価格は一定の水準になります。
一方、地方だと、プレーヤーが少なく、取引価値もバラつきがちで、極端に割安な物件もあれば、逆に割高なまま放置される物件もあるのです。
● 決め手は不動産会社の「入居付け」
物件購入では入居者がいるか、周辺の不動産会社が「入居付け」をしてくれているかが1つの決め手になります。「入居付け」とは、入居者を募集して入居を決めること。
入居者がつくかどうかは、不動産会社がどれだけ多くの内見者を物件に案内しているかによってきます。
●「勝ち組」の立地、「負け組」の立地
物件の立地には「勝ち組」と「負け組」があります。どんなエリアであっても「勝ち組」に属する一等地であれば、「入居付け」は問題ありません。
何も東京だけが「勝ち組」立地ではありません。
中京地区を考えてみましょう。名古屋は人口流入が続くという意味で「勝ち組」の立地です。周辺の岐阜県、三重県、静岡県から移入が続きます。しかし、三重県も出す一方とは限りません。もちろん三重県全体で見れば、移出が移入を上回るでしょうが、地域によっては人口増の「勝ち組」立地もあるはずです。
街の中心部、県庁周辺などには人の住む理由があります。そうした「一等地」を狙えば、賃貸業は成立するというわけです。
●「勝ち組」立地でも「入居付け」は大事
ただし、「勝ち組」立地にある物件でもすべてが満室とは限りません。
たとえば、現在、三重県松阪市の入居率は平均で約70%ですが、50%ぐらいの物件もあれば、80%超の物件もあるなど、二極化した状態です。
入居率を左右するのはアパート経営の巧拙。不動産会社による「入居付け」ができているか否かによって、大きく左右されます。
● 入居者の決まりやすい物件の共通点
では、不動産会社が頻繁に内見者を案内するのはどのような物件なのでしょう。言い換えれば、「入居者の決まりやすい物件」です。「入居者の決まりやすい物件」にはリフォームが完璧、家賃が割高でない、共有部分の清掃が行き届いている、家具・調度品が洒落ている、といった条件を満たすものが多いです。
オーナーが不動産会社に支払う手数料も大事です。
「家賃の1カ月分」が一般的な相場ですが、「2カ月あるいは3カ月分支払いますよ」となれば、不動産会社のモチベーションが上がり、「入居付け」にも力が入ろうというものです。
● オフィスが減っても住民が減るわけではない
交通網の発達に伴い、地方の人たちが首都圏に吸引されてしまう「ストロー化」が懸念されています。しかし、オフィスが減少しても、住んでいる人までが減ってしまうわけではありません。ビジネスユースの物件に対する需要は落ち込んでも、賃貸物件の価格はさほど悪影響を受けないといったこともあります。
そこを狙い、住居用の物件が若干下落したところで、購入に踏み切るのも1つの考え方です。
ただ、地方の物件が将来収益を生むかどうかを見極めるのは難しいでしょう。そこはもう、地元の不動産会社に聞くのが一番たしかです。
こちらが投資家で将来のオーナー候補だとわかれば、丁寧に接してくれます。もちろん本気でオーナーになりたい気持ちを示すことが必要になります。